疲れているはずなのに、熟睡できない……ということはありませんか?良質な睡眠は、身体と心の健康に欠かせません。
そこで、厚生労働省が2014年に作成した「健康づくりのための睡眠指針2014」に記されている「睡眠12箇条」を参考に、睡眠を改善するポイントをご紹介します。
はじめに、「睡眠12箇条」の1条から4条を見ていきます。
私たちの身体や心は、睡眠と深く関係しています。“良い睡眠”というと長く眠ることばかり意識してしまいがちですが、睡眠の質を高めることも大切です。自分にとっての良い睡眠を知りましょう。
良質な睡眠を得るには、適度な運動とバランスの良い食生活が基本。また、喫煙やアルコールは睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。
睡眠のリズムを崩している要因がどこにあるのか、自分の生活習慣を見直すことが重要です。
睡眠不足による体内時計の乱れは、神経やホルモンなどに悪影響を及ぼします。結果として、糖尿病や高血圧といった生活習慣病につながるリスクもあるのです。
睡眠不足は、うつ病をはじめとする精神疾患の原因になることも。心身の不調とまでいかなくても、注意力や集中力が低下すれば、日中の活動に支障が出てしまいかねません。
続いて5条と6条では、季節に応じた睡眠と、快適な睡眠を得るための環境を整えることの必要性について説明しています。
標準的な睡眠時間は6時間から8時間程度ですが、個人差があります。日中、快適に過ごせるかをひとつの目安としておくと良いでしょう。
寝室の温度は、高すぎても低すぎても寝つきや睡眠の質に悪影響を及ぼします。夏場は、クーラーや扇風機を上手に活用して、自分が心地よいと感じる室温を見つけてみましょう。
さらに、7条から9条では、それぞれの年代に応じた睡眠をとることを推奨しています。
若年世代では、休日の起床時刻が平日よりも2~3時間程度遅くなることが明らかになっています。
夜更かしや朝寝坊は、体内時計のリズムを乱します。すると、睡眠時間がさらに不規則になるという悪循環に陥り、日中の活動に支障をきたすことも。休みの日でも、平日と同じ時刻に起きるように心がけましょう。
働き盛りの世代は、平日に十分な睡眠時間を確保しにくいかもしれません。そのような場合は、30分以内の昼寝が効果的。昼食後に少し眠るだけでも、疲れがとれてスッキリするのでおすすめです。
高齢になると、眠りが浅くなったり、夜中に目覚めてしまったりと、若いころのようにうまく眠れなくなる場合があります。結果として、生活リズムを崩してしまうことも少なくありません。
だからといって、不規則な生活を続けるのはNG。適度な運動をすることが、快適な睡眠につながります。
10条では、スムーズに眠りに入るためのポイントとして、その日の眠気に合わせて就寝することをすすめています。
季節や日中の活動量によって、寝つくタイミングは変わります。就寝時刻がずれても、起床時刻を一定にすることが、体内時計と睡眠の質を安定させるポイントです。
寝つきが悪いときは、無理に眠ろうとすると、かえって緊張してしまいます。自分なりの方法でリラックスして、眠くなったら就寝すれば良いのです。
最後に11条と12条では、自分の睡眠の変化に気づいたら、早めに専門家に相談することを促しています。
睡眠の不調には、治療が必要となる重大な病気が隠れていることがあります。代表的なものとして挙げられるのは、睡眠時無呼吸症候群、過眠症、うつ病など。いずれも早期の発見と適切な治療が大切です。
睡眠は、生活習慣の改善をはじめとする自分自身の努力だけでは解決しない場合もあります。眠れない状態が続くのは、つらく苦しいこと。心身の負担を軽減させるためにも、専門家を上手に活用しましょう。
睡眠は健康のバロメーター。寝つきの悪さや睡眠の浅さを放置せず、しっかりと対策をしましょう。
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