野菜のなかでも、身体を温める食材として有名なのが、ショウガとトウガラシです。最近では、ショウガが入ったさまざまな商品が開発されるなど、冷えを予防する食材として注目されています。一方、唐辛子は刺激的な辛味とともに、身体が熱くなるイメージがあります。
では、ショウガとトウガラシ、どちらが身体を温める効果が高いのでしょうか?
ショウガとトウガラシには、それぞれに身体を温める成分が含まれています。その特徴をみていきましょう。
まず、ショウガにはショウガオール、ジンゲロールという成分があります。辛味の主成分であるジンゲロールは、加熱や乾燥するとショウガオールに変化します。
生ショウガに含まれるジンゲロールは、強い殺菌力を持っています。一方で、ショウガオールは血流を高め、熱を作り出す作用があります。中国でも、古くから冷えを改善するために、漢方薬として使われていました。
それからもわかるように、身体を温めるには生ショウガより、乾燥したもののほうが断然、効果が高いのです。
トウガラシは、カプサイシンという成分が、辛味とともに身体を温めます。特徴は、一気に身体が熱くなることです。
カプサイシンは、細胞に対して直接働きかけます。
最近の研究では、カプサイシンによる身体の活発化は、大脳にある味覚を認知する領域と、内臓などをコントロールする領域との神経ネットワークによって引き起こされる現象であることが、解明されてきました。
ここで、ショウガやトウガラシを使った、効果をすぐに実感できるドリンクメニューをご紹介します。
冷えてしまったその身体にホットドリンクはいかがですか?
材料
・牛乳 約1カップ
・酒粕 大さじ1
・水 大さじ1強
・乾燥ショウガ 小さじ1/2
・ハチミツ 小さじ2
・黒砂糖 小さじ半分
作り方
牛乳を温めます。そのなかに、酒粕、水、乾燥ショウガ、ハチミツ、黒砂糖を加えて混ぜるだけ。まろやかな甘さで、身体の芯から温まります。
材料
・純ココア 1杯分
・ハチミツ 適量
・トウガラシ ひとかけ
・ナツメグなどのスパイス 少々
作り方
甘くない純ココアでホットココアをつくります。そこにハチミツを入れて、トウガラシのかけらを入れます。お好みでナツメグなどのスパイスを足してもおいしいです。
ショウガもトウガラシも、どちらも身体を温める効果があります。ただ、温かくなる仕組みが違ったり、効き方が違ったりとそれぞれに特徴があります。
効率的に身体を温めるためにも、この2つの素材をうまく使い分けることが大切です。もしかしたら、ショウガとトウガラシの両方を入れたメニューであれば、一石二鳥なのかもしれません。
まずは、今回ご紹介したホットドリンクから試してみてはいかがでしょうか。ショウガとトウガラシで寒い季節を乗り切りましょう!
文:まちだゆうき