近年、サッカーやバスケットボールなどで注目を集めている、「フリースタイル」という新しいスポーツジャンルをご存じですか?
実際の競技よりもエンターテインメント性を重視した、見た目の派手さが特徴の競技スタイルで、テレビや雑誌などでも話題になっています。専門の大会からクラブイベントまで、世界大会で優勝経験のあるプレーヤーを中心に、日本のシーンは世界トップレベルの実力を誇っています。
今回は、そんなフリースタイルバスケの魅力と、トッププレーヤー・nockさんのインタビューを併せてご紹介します。
※まずはこちらの動画をご覧ください!
出典:youtube
ずばり、フリースタイルに厳密なルールはありません。DJの流す音楽に合わせて、ボールをどれだけ器用に扱えるかを競う競技です。その審査基準は、誰が会場を盛り上げられたか、アクロバティックな技から、トリッキーな動きまで、プレーヤーたちのアイデアや身体能力が勝敗に直結する内容に、胸が高まります!
「バトル」と呼ばれる試合形式も、「ショーケース」と呼ばれる、見せることに特化したショー演技も、どちらもエンターテインメント性の高い、新感覚スポーツです。
日本では、昨年10周年を迎えた「WFBA Freestyle Basketball Battle」という大会を中心に、さまざまな大会やイベントでシーンが構成されています。さらに、プロバスケットボールリーグである「bjリーグ」の、オールスター戦のハーフタイムショーで演技が行われるなど、バスケットボール界においても注目を浴びているといえるでしょう。
日本人が世界大会で優勝したことを機に、注目度が高まったフリースタイルバスケは、現在でも進化を続けています。近年ではブレイクダンスや軟体など、新しい要素が加わりはじめました。あまり知られてはいませんが、日本のフリースタイルは、世界で最もレベルが高いと称されるほど、過熱しているのです!
誰でも参加できる地方予選の開催から、地域のスポーツ振興イベント、クラブイベントまで、不定期ながら数多くの催しが行われているため、インターネットなどで詳細情報をチェックしてみてください。
日本のフリースタイルシーンにおいて、そのトリッキーな動きと、独特なハンドリング演技に定評のあるカリスマトッププレーヤー、nock。2014年には、日本一決定戦でチーム部門優勝を成し遂げた経験もある彼に、シーンの展望を語ってもらいました。
「僕の場合は、バスケットボールのプレーヤーとしても競技に親しむなかで、ハンドリングのよさをきっかけに始めたのがフリースタイル。練習量に比例してステージを駆け上がっていく過程で、ライバルとの出会いや、大きくなっていくシーンにどんどん引かれていきました。」
「大きい大会でも、ある程度は戦えるようになり、小さな大会では優勝したり、イベントに呼んでもらえるようになったりと、競技との距離がどんどん近くなっていきました。」
「練習場所は、夜の公園とか商店街です。シーンは大きいのに、現場はどこまでもストリート。そんな環境がフリースタイルの魅力だと、僕は思っています。」
「やろうと思ったその日から、誰でも始められる、そんな身近さを感じてほしいです。どんどん新しいファンを増やして、今後も活躍していきたいです。ぜひ一度、イベントなどに足を運んでみてほしいですね。」
「今後は、個人として世界大会への参加、チームでの海外営業が目標です。大きな夢ですが、東京オリンピックで何かできれば、最高だなと思います!」
フリースタイルバスケは、シーンはまだまだ発展途上ですが、確実に成長しています。気軽に見られる、始められる、そんなスポーツの選択肢として、フリースタイルバスケットボールはいかがですか?
文:青木大地