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パックラフティングを楽しむフィールド、その広がり【特集:パックラフトと川の旅~パドルスポーツの現在】

パックラフティングを楽しむフィールド、その広がり【特集:パックラフトと川の旅~パドルスポーツの現在】

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パックラフティングを楽しむフィールド、その広がり【特集:パックラフトと川の旅~パドルスポーツの現在】

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さまざまな用途をカバーする、多様な可能性が詰まったボート「パックラフト」。超軽量で持ち運びできるこのインフレータブルボート(空気で膨らませるボート)を実際に始めるには。そしてどんなフィールドで楽しめばいいのか――「パックラフティング概論」に引き続き、サニーエモーションの柴田健吾さんに解説いただきます。

■特集:パックラフトと川の旅~パドルスポーツの現在
1. インタビュー:柴田健吾(サニーエモーション) パックラフティングを楽しもう
2. インタビュー:堀川臣樹(パドルクエスト) カヌー、カヤック、SUP
3. ギアからひも解くパックラフト旅:長谷川晋(Hiker’s Depot)
4.パックラフティングを楽しむフィールド、その広がり
5. パックラフティング体験レポート

パックラフトを買う前に

まず未経験の方にお伝えしたいのは、パックラフトを買って、いきなりひとりで川に行ってしまうのはやめた方がいいということです。

※本稿は、柴田健吾さんの談話をもとに、編集部が文章化しています。

パックラフティングはリバースポーツですから、川での危機管理や操船の基本的な技術をまず身につける必要があります。流れの穏やかな川であっても危険なポイントは存在しますし、知っていると思っている場所でも、水量によって全く違った印象を受けるでしょうし、大きな増水後などは川の形自体が変わる場合もあります。
ですのでやはり、どんな時にも役に立つであろう基本的な考え方・技術を身につける以外には、近道はないように思います。

パックラフトは初心者でも扱いやすく、あるレベルまでの上達が早いところが大きな魅力です。運動神経の良い人なら、いきなり難なく乗れてしまうかもしれません。そして川に馴染みがない人でも手が出しやすい。でも、それだけに安全対策がおざなりになりがちなんです。
順調に下っている時はいいのですが、実際に川を下っていると転覆したり、装備を流してしまったりと色々なことが起きると思います。

ですから、ボートを買う前に、まず初心者向けの講習やツアーに参加することをお勧めします。僕たちサニーエモーションではアルパカラフトを使用してツアーを行っており、午前中には、午後からの川下りに必要なテクニックをレクチャーし、午後は実践で川下りというスタイルです。基本技術も身につけやすく、すぐに川下りができてしまうというパックラフトの利点を最大限活かして、最初から流水での川下りの醍醐味を味わっていただくようにしています。

こういった初心者のためのプログラムに、できれば数回(最低でも3回くらい。できれば10回くらい参加しないと全体像はわかりません)参加していただきたいと思っています。それでもパックラフティングの概観をお伝えするのが精いっぱいですが、最低限のテクニックを身につけることはできます。

東京近郊で練習できるエリア

講習やツアーなどに複数回参加し、川の知識と最低限の技術を学ぶ最初の段階を越えれば、パックラフティングはぐっと身近になっているはずです。そこからは経験者の方と一緒に、近隣の川に出かけて練習したり、ゆるい川を長く下って見るのもいいかもしれません。

※一人で川に行くことは非常に危険です。例えば、転覆した際に再乗艇できなかったらどうなるでしょうか。

リバースポーツは都会から遠く離れた環境でないと楽しめないような印象を持っている方もいるかもしれませんが、例えば東京の近郊にもパックラフティングを楽しめるエリアはいろいろあります。

栃木から茨城をまたいで流れる那珂川はエントリー層が川下りを始めるにはちょうどいい川だと思います。関東の清流と呼ばれ、初心者でも快適に下れる瀬がほとんどです。ゆるい川であっても自分達だけで情報を調べて川に行って見ると、技術的なことに限らず色々な発見があると思います。
なお那珂川は、釣りも盛んで10~11月のみが川下り推奨時期とされており、この時期には遡上するサケも見られることもあるようです。また、ゆるい川では午後からの向かい風に注意してください。

御岳渓谷

ある程度、基本をマスターすることができ、自分で自分のことはどうにかできるようになってきたら、多摩川上流の御岳渓谷埼玉県の荒川/長瀞などのような、古くから関東近郊のパドリングスポーツのゲレンデ(練習場)として親しまれてきたスポットで、同じセクションを反復練習などするのも効果的かと思います。遠くまで行かなくても、ボートで川に出ることができます。出勤前に川に行くということも不可能ではありません。

ただ、この2つのフィールドは決して初中級者向けではなく上級者向けのフィールドです。何もマスターしてない状態で行くところではありません。パックラフティングで言えば最低限、転覆した際の再乗艇や、転覆した際のチーム内で助け合ってのセルフレスキューなどは必須です。

また、河川自体は誰の所有物でもありませんが、昔からその場所を大事に使ってきたパドラーの方々に敬意を表してください。漁業との問題、駐車の問題、河川アクセス道など情報集めから川下りは始まっています。その対象となる河川のガイド・アウトフィッターの各種講習・ツアー(例えばラフティングでも)などに参加することでのみ得られる最新情報も、あるかもしれません。

全国の川旅が楽しめるエリア

四万十川

2泊3日以上の長い距離の川下りが楽しめて、比較的危険でないエリアとなると限られてきます。定番ですが北海道の釧路川高知県の四万十川あたりになるでしょうか。川下りとキャンプに慣れ親しんだ人でしたら素晴らしい川旅が楽しめるでしょう。

もちろん、こういった有名なところ以外にも一泊二日程度の旅を楽しめる川はたくさんあります。サニーエモーションで過去に企画したことがあるものですと、長野県内の安曇野エリア長野市の犀川千曲川天竜川と支流岐阜県の長良川などは、距離も長くとれて、泊まって下って楽しい川です。しかし、上流部の急流区間から下ったり、途中に渓谷セクションがあったりするので、しっかりテクニックを身につけた人以外にはオススメできません。

あらゆる水の上がフィールドに

前回もお話したように、パックラフトは超軽量コンパクトで移動にすることに特化した乗り物で、かつ楽しく、カバーできるフィールドも広い。それだけに使い方は人によってさまざまです。「パックラフティング向きのエリア」と言っても用途によって変わってきますし、技術レベルと趣向によっても変わってきます。一概に、お勧めの川を紹介するのはなかなか難しい。

でも逆に捉えると、知識・経験・技術さえ身につければ、上流の急流から下流のゆるい区間までが対象となり距離的な選択肢は広がり、より長い旅が楽しめます。
またアルパカラフトは浅い川も得意ですので、これまでのボートだと増水時にのみ上級者限定で川下りの対象なるような小さな支流でも、平水時でもエキサイティングに楽しめ面的な広がり、時期的な広がりもあります。

飛行機、電車など公共交通機関を使っての遠方へのアクセスも比較的容易で、自分の操船に自信があれば、旅先の知らない土地で有名・無名の川を下ることも可能です。日本各地の有名河川だけでも相当な数になり、川下りのガイドブックに乗ってない無いような川まで含めてしまうと日本だけでも何年かけても遊びきれないフィールドがあるように思います。

柴田健吾 Profile
サニーエモーション代表。1977年、岐阜県飛騨地方生まれ。2001年よりリバー・ガイドに従事し、2006年より冬季は長野県白馬村にてバックカントリースキー・ガイドも開始。2007年にアラスカにてパックラフトに出会い、そのコンセプトに共感。2009年長野県安曇野にてパックラフトを使用したダウンリバーガイド「サニーエモーション」を始める。2010年よりパックラフトのメーカー「アルパカラフト(AlpackaRaft)」の日本輸入代理店も担う。
http://sunnyemotion.com/

取材・文/Rhythm Ultra編集部 人物撮影/後藤秀二


■特集:パックラフトと川の旅~パドルスポーツの現在
1. インタビュー:柴田健吾(サニーエモーション) パックラフティングを楽しもう
2. インタビュー:堀川臣樹(パドルクエスト) カヌー、カヤック、SUP
3. ギアからひも解くパックラフト旅:長谷川晋(Hiker’s Depot)
4.パックラフティングを楽しむフィールド、その広がり
5. パックラフティング体験レポート

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