こんにちは。滝ガールの坂崎絢子です。
今年もあと1ヶ月、一気に寒くなってきましたね。
この季節に恋しくなるのが、温泉です。
滝めぐりで全国をめぐるようになって、気づけば各地の温泉も数多く訪ねるようになりました。滝も温泉も、日本の大地の火山活動と密接に関係しているからです。滝のあるところには、温泉も多い。つまり、温泉の近くには、滝があるということなんです。なので、皆さんも温泉旅行に出かける際には、ぜひ近くに滝がないかどうか、チェックしてみてほしいと思います。
皆さんお馴染みの有名温泉地の近くにある滝をいくつかご紹介したいと思います。
まずは、温泉界で西の横綱とも言われる大分県の別府温泉。温泉街の賑わいとは対照的なひっそりとした場所に、「乙原の滝」が落ちています。滝までの道は整っているのでご安心を。駐車場から10分くらい歩いたところで、滝音が聞こえてきます。
二つの滝が並んで落ちる、「夫婦滝」のスタイルです。
滝の傍らには、お不動様の像が佇んでいて、ミステリアスな雰囲気を漂わせています。温泉街の賑わいからちょっと離れて、自然の神秘の雰囲気を味わってみたいという方におススメですよ。
同じく九州では、鹿児島県の霧島温泉郷も滝スポットです。
こちらの「丸尾滝」は、上流の林田温泉や硫黄谷温泉の温泉水を集めて落ちる温泉の滝なんです。
温泉成分によって、滝つぼの色がコバルトブルーに見える美しい滝です。
関東の大温泉街、群馬県草津温泉にも、実は温泉とコラボレーションしたユニークな滝が近くにあります。「嫗仙(おうせん)」の滝です。
赤くて滑らかな岩肌と、ぽっかり空いた大穴が特徴!
まさに奇岩。ちょっと妖艶な雰囲気ですよね。でも、この不思議な形状は温泉地の滝だからこそ、なんです。草津白根山から噴出した火砕流が溶結凝灰岩となってできた滝だそうです。滝の水に高濃度の温泉成分が含まれているので、岩盤が赤く変色しているのです。(※駐車場から1kmほど山道を歩きます。また、冬季は積雪があります)
ちなみに、温泉の滝にそのまま浸かれてしまう場所もあります。
秋田県湯沢市にある「川原毛大湯滝」は温泉が落差20mの滝となって落ちてくる滝です。滝つぼで入浴できる、日本でもかなり珍しい滝です。(※夏季限定です)
また、「滝×温泉」という切り口でスペシャルなのはやっぱり「滝見温泉」ですよね。滝を眺めながら入れる温泉というのも探してみると意外とあるんです。
まずはこちら。
伊豆の河津七滝にある「AMAGISO-天城荘-[LIBERTY RESORT]」では、露天温泉に浸かりながら、迫力ある大滝を間近に眺めることができてしまいます。
大滝はその名の通り、落差30m幅7mで河津七滝でも最大のスケール。滝見を売りにしている温泉は全国でいくつかあるものの、ここまで大迫力の滝が見られる温泉はかなり珍しいと思います。最高のロケーションとあって、映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地として使われたこともありました。この外湯は混浴のため水着着用になるのですが、レンタルもありますのでご安心を。
滝ハイキングをしたら、最後に滝見温泉。滝と温泉のコラボとしては最強のコースです。
他にも、滝見温泉のある旅館をご紹介しましょう。
長野県奥蓼科温泉の「明治温泉旅館」は、滝のすぐそばのロケーション。温泉からは、渓流タイプの滝「おしどり隠しの滝」を見下ろすことができます。
大分県の名湯、天ヶ瀬温泉にある旅館「山荘天水」は、露天風呂から天ヶ瀬三瀑の一つ、桜滝を眺めることができます。こちらは夏の景色ですが、冬景色も素晴らしいはず。わたしも行ってみたいです。
……と、まだまだありますが、今回はこのへんで。
温泉で癒されつつ、ご当地の滝も眺めて。自然のパワーをチャージする旅、ぜひ楽しんでくださいね。
文・写真:坂崎絢子