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産婦人科医 対馬ルリ子先生「基礎体温と温活のポイント」

産婦人科医 対馬ルリ子先生「基礎体温と温活のポイント」

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産婦人科医 対馬ルリ子先生「基礎体温と温活のポイント」

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5月末に開催された、働く女性を応援するイベント『WOMAN EXPO TOKYO 2015』。その初日である5月23日には産婦人科医の対馬ルリ子先生のセミナーが開かれました。

立ち見のお客様が出るほど大盛況だった、ライフプランに関わる《ウーマンズヘルス》についての講演をご紹介します。

対馬ルリ子(つしま・るりこ) 産婦人科医・医学博士。
「対馬ルリ子 女性ライフクリニック銀座」院長
生涯にわたる女性の健康のため、さまざまな情報提供や活動を行っている。
http://www.w-wellness.com/

今回は講演はとても好評で、内容的にも充実したものでしたので、その一部を抜粋し、まとめた形でお届けします。

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以下、対馬先生の講演の内容を抜粋

女性が働きやすい国の順位、日本は104位!

ひと昔前までは、女性のいちばんの大仕事は、妊娠、出産、子育てがメインだった。ところが、今の女性たちのライフスケジュールは多様化していると、対馬先生は講演の冒頭で、そう切り出した。

「現代では、多くの女性たちが職業を持ち、社会を支える重要な存在となっています。しかも、育児もして、男性と同じように働き、日本の経済のことも考えて、さらには介護もしなさいと、女性への要求は高まる一方。それだけ女性の負担が大きくなっているのが実情です」

確かに、女性の社会進出は目覚ましく、期待も高まっている。

ところが、そのあとの先生の話を聞いて驚いた。

2014年に世界経済フォーラムで発表された、女性が働きやすい国の順位を見てみると、日本はなんと世界136カ国のうち、104位という低さだという。日本はまだまだ女性が働きながら、結婚、出産、子育てをし、自分のやりたいことも犠牲にしないですむようなライフスタイルには、ほど遠いということだろうか。

先生は、そういう社会だからこそ、女性が活躍していくためには「戦略的なヘルスケア」が必要不可欠だと話す。

自分の体を知って人生の「戦略」を立てよう

「みなさんが自分のやりたいことや望むことを実現するためには、「戦略的」に自分のカラダと向き合う必要があります。それには女性の身体を司っている『女性ホルモン』について、しっかりとした知識をもつことが大切です」と、対馬先生。

女性が最も活躍できる18歳~45歳ぐらいにあたる約30年間は、体内で『女性ホルモン』が活発に分泌される時期に当たる。女性ホルモンには、月経と排卵を司り、体調に変化を起こさせる作用がある。その女性ホルモンとうまく付き合うことが、どうやら戦略的なヘルスケアの鍵を握っているらしい。

2種類の女性ホルモンによって管理される基礎体温

女性の身体にはご存知のように、排卵と月経の周期がある。それによってエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが分泌される。先生の話を簡単にまとめると、女性の身体は以下のようなサイクルで機能している。

<1、 月経〜排卵までの期間>

月経が始まるころから、プロゲステロンの分泌が減少しはじめる。月経の期間は生理痛などを引き起こす人もいて不快な症状があるが、月経が終わるころになると、エストロゲンの分泌が優位になり、体調も回復する。

エストロゲンには、コラーゲンの生成を助ける働きがあるため、肌の調子がよくなると同時に、新陳代謝が活性化するので、ダイエットにも最適期。

気分が明るくなり、集中力が高まり、仕事も順調にこなせるし、コミュニケーション力もUPするそうだ。

<2、 排卵後〜次の月経までの期間>

排卵が起こると、女性ホルモンのバランスが変動し、プロゲステロンが優位になる。下腹部の不快感や、おりものが気になるといったカラダの変化が感じられることがあり、なかには片頭痛が起こる人もいる。

身体はむくみやすく、甘いモノが無性に食べたくなるのが、この期間。

さらに、皮脂の分泌が活発になるため肌トラブルも生じやすくなると同時に、脳が敏感になることから、イライラしたり、くよくよしたり、精神的にネガテイブな状態にもなりやすい。不眠症状になる人もいるという。

この時期に卵が精子と出会えば受精卵となり、妊娠するが、妊娠しなければ、月経が始まる。

つまり、1の期間のときには体調も良く、バリバリ働くことができるが、2の期間に無理をすれば、身体に負担がかかるというわけだ。

そして、この1と2の時期を知る方法が、〝基礎体温〟。

先生の話によると、1の「月経から排卵までの期間」は体温が低い「低温期」で、活動しやすい時期。2の「排卵後から次の月経までの期間」は体温が高い「高温期」で、不調が起きやすいという。

「女性のカラダのリズムは、大きく分けて、基礎体温が低温期(約2週間)のときと、高温期(約2週間)のときに分かれます。2週間ごとに体調の波が切り替わっているわけですね。基礎体温を計ることの大切さは、実はそこにあるのです。自分が今、低温期なら仕事もプライベートも頑張れる時期だとわかるし、高温期ならあまり無理をしないで、早めに家に帰ろうと思うことができます。イライラしたときも、今は高温期だからそうなるんだなと、理解できますよね」

なるほど、基礎体温は妊娠したいときに計るものだと思っていたけれど、そればかりではないことが、よくわかった。

妊娠するために大事なのは月経ではなく排卵

さらに、低温期と高温期の切り替えスイッチとなるのが、排卵だという。

先生は、この排卵を、「卵巣の爆発」とたとえられた。

「排卵は、いわば卵巣が爆発して卵が卵管へ飛び出す現象です。女性の身体には毎月、その爆発という負担がかかっているわけです。この排卵が女性の身体に支障をきたす一因にもなってもいます」

「しかも、現代女性は昔の女性と比べ、一生に起こる排卵の回数が格段に多い。昔の女性たちは一生のあいだに何人もの子供を産んでいました。妊娠中と出産後の授乳期には排卵が起こりませんから、出産回数の多い昔の女性たちは、生涯に50回程度の排卵ですんでいたのです。

一方、出産数が減少した今は違います。寿命が伸びたこともあり、ひとりの女性が一生のうちに排卵する回数は、約35年間で500回近くにものぼり、その差は10倍にもなっているのです」

10倍と聞いて、また驚いた。

先生いわく、今の女性たちの子宮や卵巣は、それだけ疲れているということ。

そのため、子宮内膜症や卵巣のう腫、卵巣がん、子宮筋腫といった婦人科の病気が、20~40代の女性の間で増えているというのだ。

ところが、女性の健康診断はまだまだ不十分だそう。

ビキニ検診では女性の健康は守れない!

女性の社会進出が進んでいるにも関わらず、多くの企業の健康診断は、男性をベースにした内容がほとんどだという。女性特有の病気に対する検査は、ビキニで隠れているところ(=バストと生殖器)しか検査をしない「ビキニ検診」しか行われていないのが現状だそう。

女性に多い疾患と、男性に多い疾患は違うということが厚生労働省の調査でもわかっていて、もちろん、女性に多い疾患は全身および精神にまでわたっている。にも関わらず、ビキニ検診しかしないというのでは、明らかに不十分。

対馬先生は、女性に多い疾患を知り、定期的に自主検診を受けることこそが、女性が自分の健康を守るための自衛手段だと話されていた。

カラダが健康で余裕があるときしか、脳は妊娠させてくれない

20代、30代の若い女性の問題として、近年、痩せすぎが原因で月経がない(=無月経)という人が増えているそうだ。

ところが、月経があっても、排卵を伴わない無排卵月経の人も増えているという。

衝撃的だったのは、対馬先生が最近オムロンの女性社員の方たちを調査したところ、なんと1/3の人が無排卵月経だったという話だ。

「妊娠・出産は、女性の身体にとってリスクを伴うものです。

ですから脳は、身体にそのリスクに耐えられる余裕があるときに、女性を妊娠させるように働きます。逆に言えば、今の身体ではリスクに耐えられないと脳が判断した場合、母体が亡くなってしまっては困りますから、女性ホルモンの分泌を抑え、排卵を起こさせないことで、妊娠を回避するのです」

さらに、長いこと無月経や無排卵月経が続いていると、いざ妊娠したいと思ったときに、そうすぐには脳がOKを出さないのだという。現代女性に不妊の悩みが増えている理由の一つには、そうした事情もあるようだ。

人生において、自分が産みたいと思った時期に妊娠・出産するためには、妊娠を考えていない時期から排卵と月経のリズムを整えておくことが大切だと、先生は力説された。

排卵があるか、自分で調べる最も簡単な方法とは?

「排卵の有無を自分で調べるいちばん簡単な方法は、基礎体温を計ることです。毎朝、目が覚めたらすぐ体温を計り、グラフに記入するということを、とりあえず1カ月ぐらい続けてみてください。排卵が起こればプロゲステロンが分泌され、体温が上がります。もし、ずっと低体温のままなら、たとえ月経はあっても無排卵になっているということです」

先生の話を聞いて、にわかに自分の基礎体温が気になってきた。

基礎体温を計るということは、こうした意味があるのだとわかった今、「自分のヘルスケアを戦略的に考える」という、冒頭の先生の言葉も納得がいった。

基礎体温を継続して計ることによって、毎月の低温期と高温期のリズムを把握できれば、

「生理が近いから、そろそろカラダがむくんでくるな」
「この日は高温期にあたりそうだから、飲み会はパスしよう」

というふうに、自分の身体の変化を予測することもできるだろう。

わかっているようでよくわかっていなかった、女性の身体のしくみとその健康管理法。今回は、対馬先生のわかりやすい講話でしっかり身につけることができた。

まずは、基礎体温計をつけてみる。

そして、それを自分のまわりの頑張っている女性たちにも勧めたいと思った。

お話:対馬ルリ子先生
まとめ文:編集部ライター
写真:藤澤靖子

関連記事:
冷え性解消に!4つのシーン別“白湯”の嬉しい温活効果

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