冬は1年でもっとも空気が乾燥する季節のため、肌も乾燥するのは仕方がないと、半ばあきらめていませんか?
乾燥肌を放置して症状を悪化させる前に、まずは原因をチェックしてみましょう。原因に応じて早めに対策を行えば、乾燥肌は改善につながります。
そこで、肌の乾燥を招く原因と、改善策についてご紹介します。
肌の角質層には、3つの水分保持要素が備わっています。
セラミドやコレステロールからなる細胞間脂質、アミノ酸やミネラルによって構成されるNMF(天然保湿因子)、そして3つめは、毛穴から分泌される皮脂や汗腺からの汗などが混ざってできた皮脂膜です。
それぞれに自ら水分を保持する働きがあるため、角質層が健全であれば、肌にはもともと保湿能力があるということであり、正しいスキンケアをしていれば乾燥に悩まされることはないのです。
肌が乾燥した状態になるということは、肌の角質層の3つの要素の保湿能力が低下しているということになります。保湿能力が低下する原因と改善策をチェックしてみましょう。
乾燥肌に悩む人の特徴として、「肌をこすりすぎている」ことが、乾燥の最大の原因とされています。スクラブ洗顔や毛穴パックなどはしていないという人でも、以下のようなことに心当たりはありませんか?
・クレンジングや洗顔時に、指が肌に触れた状態で、くるくると何度もなでまわす
・拭き取りクレンジングや拭き取り化粧水を頻繁に使う
・クリームや日焼け止めは指で塗りこむ
・血行促進のための顔マッサージをしている
これらの行為はすべて、こすりすぎにつながっているのです。
改善策として、クレンジングや洗顔時、そして拭き取りクレンジングやクリームを塗るときなど、指でゴシゴシとこすらず、肌が動かない程度の優しいタッチで行うようにしましょう。
生活習慣は、睡眠時間の不足、ストレスや喫煙などによって乱れます。
特に、睡眠時間が不足すると、肌のターンオーバーを一定の周期に保つ働きをする成長ホルモンの分泌量が、低下してしまいます。
それにより肌のターンオーバーが乱れ、角質層の水分をうまく保持できなくなるため、肌の水分が失われて乾燥を招きます。
改善策として、睡眠時間はできるだけ7時間を確保し、それが難しければ短時間でも良質な眠りが得られる快眠方法などを取り入れてみましょう。
近年の欧米型の食事や極端なダイエットなど、偏った食事によって乾燥肌になる女性が増えています。
健康な肌を保つためにはさまざまな栄養が必要なため、バランスを考えない食事内容は、お肌の水分保持力を低下させる原因に。
そこで、バランスのとれた食事はもちろん、タンパク質やビタミンをはじめ、亜鉛や必須脂肪酸など細胞の生まれ変わりを助ける栄養素を、積極的に摂るように心がけましょう。
冬だからといってあきらめかけていた肌の乾燥も、普段の生活習慣から改善できるため、今すぐ試して少しでも早く美しい肌を取り戻したいですね。
この冬は乾燥知らずのしっとり肌で過ごしましょう。
文:山下希代