みなさんは普段、立っているときや歩いているときに「骨盤」を意識していますか?骨盤は体の中心にあり、体を支える土台。建物でたとえるなら、基礎のようなものです。建築物をしっかり支えるためには堅固な基礎が必要なのと一緒で、骨盤も体を支えるためには健全な状態でなければなりません。
今回は、骨盤のゆがみが起こる原因と合わせて、ゆがみ改善に効果的な『骨盤ウォーキング』について紹介します。
骨盤ウォーキングの前に、いま現在の骨盤がどういった状態かを確認してみましょう。次の項目でチェックしてみてください。
1. 歩いているとスカートがまわってしまう
2. 歩いているとスカートの長さが前と後ろで違ってしまう
3. 靴底が均等に減らず、いつも左右どちらか一方ばかり減ってしまう
4. 足を組んで座ることが多い
5. スリットのラインやファスナーがまっすぐにならない
6. パンツラインがゆがんでしまう
7. ペンダントヘッドが左右どちらかに曲がってしまう
8. 柄タイツをはくと左右どちらかが斜めになってしまう
9. キッチンのシンクにお腹を預けて立つ
10. ぺしゃんこ(あひる)座りがラクだ
1つでも心当たりがあるなら、骨盤が歪んでいる可能性が高いため、改善することがおすすめです。
姿勢は、歩くときにも立つときにも重要です。ジム通いやジョギングなどは三日坊主だったとしても、「歩く」「立つ」という基本行動は日々繰り返しています。どんなスポーツにも正しいフォーム(姿勢)があるのと同じで、姿勢にも「いい姿勢」の型があり、そのために必要な筋肉があります。
ところが、悪い姿勢を毎日繰り返していると、必要な筋肉が弱まってしまうため、骨盤を正常な位置で支えることが難しくなってしまいます。そしてそれが、ゆがみの原因に。体の基礎である骨盤がゆがんでしまうと、連結している背骨の並びもズレてしまいます。
そこから波及して血流が悪くなったり、神経を圧迫したり、体のあちこちのバランスを崩してしまうことも。骨盤がゆがんでいることで、腰痛などを起こすことがあります。そうすると、無意識に患部をかばってしまい、さらに姿勢は悪化してしまいます。
「良い姿勢」というのは、横から見たときに、耳の穴・腰・腰骨・足の外側のくるぶしが、一直線上になっている状態です。一方、「悪い姿勢」の代表的なものは2つ。
1つは、「良い姿勢」をしようと胸を張りすぎてしまい、腰が反って、お尻が出てしまう「反り腰でっちり」タイプ。2つめは、股関節に体重を預けて立つ「腹立ち」タイプ。上記の項目(9)にチェックが入った人は、「腹立ち」タイプの可能性があります。
また、歩き方が悪い人も、骨盤がゆがんでいる可能性があります。チェック項目(3)の「靴の減り方が左右で違う」に当てはまる人は、歩き方にクセがあるかもしれません。特徴を確認してみましょう。
腰回りや太ももの外側の筋肉が弱い人に多く見られます。体重が外側に傾きやすく、O脚または、下半身太りになりやすいので注意。
横から見ると、腰が反っているように見えます。またお腹がポッコリと出ていることも。お尻も後ろに突き出ている「反り腰」スタイルも多く見られます。お腹とお尻の筋肉が弱く、骨盤が前に傾きがちなのが原因。太腿の前側の筋肉が発達しているのも特徴の1つです。
腰や股関節周りの筋肉が弱く、重心が踵に偏ってしまうことが原因。また腰の位置が低いため、猫背になりやすい場合もあります。太腿の裏側の筋肉が硬いのが特徴です。
ゆがんだ骨盤は、正しく改善していくことが可能です。今回は、谷英子先生考案の『骨盤ウォーキング』での改善方法を紹介。毎日の何気ない「歩く」という行動のなかで、間違ったクセを矯正することができます。ぜひ試してみてください。
鏡に映る自分の鼻とおへそ、足の内側のくるぶしが、一直線上になるように立ってください。このとき、頭の傾きや両肩の位置、腰骨の左右の位置、指先の位置が左右対称であることを確認します。そうすると、重心の位置が引き上がるのが感じられます。
顎が上がり、正しい姿勢がキープしやすくなります。
膝を前に出すように脚を上げ、踵から地面に着地させます。そして骨盤に体重を乗せるようなイメージで重心を移動させていきます。この骨盤ウォーキングは、自然と歩幅が広がるので脂肪燃焼効果が期待できます。
さらに、正しい姿勢は体が一直線に伸びるので呼吸が深くなり、血流促進の効果も。慢性的な腰痛や肩こり、首のこり、眼精疲労などの改善につながります。姿勢の美しい人や歩き方がきれいな人は、それだけで魅力がアップします。
体が正しいフォームを覚えるまで「骨盤ウォーキング」を意識して、美姿勢を目指してみましょう。
骨盤のゆがみには、日常生活の何気ない動作から気をつけることがポイント。座るときや普段履く靴など、工夫できる点はいくつかあります。
骨盤を支えることができる周辺の筋肉、骨盤底筋を使うために、座るときに意識して足を閉じてみましょう。骨盤底筋を鍛えることで姿勢を支えられるようになるため、ゆがみの改善にもつながります。その際に膝をつけることが重要です。足を閉じる際に使われる内転筋の筋力が上げることでも、骨盤を支えることができるようになります。
骨盤のゆがみを気にして、ヒールの靴を避ける人も多いはず。しかし、自分の足に合ったものなら避ける必要はなく、むしろ日によってフラットな靴とヒールのある靴を履き分けることでさまざまな筋肉が使われるメリットがあります。