虫歯になると、仕事中気になって集中できなかったり、ものを食べるときに痛みを感じる、しみるなどのわずらわしい症状が起きたりして、生活の妨げになります。
しかも放っておくと、最終的に虫歯治療に時間と費用もかかるため、本当にいいことはありません。そんな大人の虫歯。原因と特徴を知って、早期からの虫歯予防に努めましょう!
そもそも、虫歯はなぜできるのでしょうか?口の中で虫歯ができる条件としては、ミュータンス菌という虫歯菌が存在することと、その虫歯菌が好む糖分があることの2つがあります。
虫歯菌は糖を餌にすると、強い酸を作り出します。
歯を溶かすほどの強力な酸なので、ものすごい力です。しかも虫歯菌は、糖などの餌がなくとも、空気に触れないところであれば生きながらえることができるので、口の中でエサがやってくるのを待機していることができます。
作り出した酸は、歯の表面に広げ、「脱灰(だっかい)」という、歯を溶かす作業に進みます。脱灰は、歯の表面を覆うエナメル質の少し内側にあるミネラル分を溶かし出すことをいいます。これが進むと、エナメル質を侵食し、その下の象牙質にまで侵食が進みます。これが虫歯です。
もちろん、歯を磨かず、糖分をいつまでも口の中に留まらせていれば、当然虫歯になりやすくなります。しかし、しっかり歯を磨いていても、虫歯ができることがあります。
その場合、この虫歯菌などが含まれる細菌のかたまり「歯垢(プラーク)」が除去できていない、歯ブラシが届きにくい奥まで磨けていない、フロスや歯間ブラシを使用していないことなどが考えられます。
では、大人の虫歯の原因は、特にどんなところに特徴があるのでしょうか。
もちろん、大人は歯磨きに慣れているため、磨いたつもりになることも原因の一つですが、大人であれば、一度くらいは虫歯の治療を受けたことがあるはずなので、つめものやかぶせものなどがある人も多いでしょう。それらの隙間に入り込んだプラークや、たまった歯垢が除去できておらず、それが虫歯菌の餌になっている可能性もあります。
加齢によって歯茎が自然と下がってきて、やわらかい歯根部分に虫歯菌がつきやすくなることがあるといわれています。
大人が虫歯を防ぐためには、子供や若者の虫歯予防と何ら変わることはありません。
毎日の正しい歯ブラシによる「ブラッシング」とフロスを使って歯垢を落とす「フロッシング」は欠かせないことです。虫歯菌を除去するために、歯垢をしっかりと除去しましょう。
そして、つめもの、かぶせものなどの歯ブラシの先では太くて到達しない歯の隙間などは、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用してしっかりと汚れをかき出すことが重要です。
また、歯根部分も欠かさず、念入りに磨きましょう。
歯には、虫歯だけでなく、歯周病リスクもあります。ぜひ丁寧なお手入れとケアを心がけましょう。
文:リズム編集部
監修:高島美祐 (神谷町デンタルクリニック)
高島 美祐(たかしま・みゆう)
早く確実に治したい方や、何度も再発してなかなか治らなかった方のために、マイクロスコープとCADを使った短期集中治療に特化した歯科医院「神谷町デンタルクリニック」を東京都港区虎ノ門にて開院。歯の病気が早産や生活習慣病、認知症につながることや、かみ合わせの不良により顔のバランスが乱れてしまうことなどを啓蒙している。超高齢化社会において、自分の歯をできるだけ長く残すための治療を実践しており、国内外からの来院がある。
関連記事:
歯周病の基礎知識!歯周ポケットと歯石の関係は?【歯科医監修】
関連記事:
電動歯ブラシに向いた歯磨き粉のおすすめをチェック!【歯科医監修】
関連記事:
歯石は糸ようじで取れない!歯垢の取り方は?【歯科医監修】
関連特集:
Rhythm内の「オーラルケア」に関する、記事はこちらから
関連特集:
Rhythm内の「虫歯」に関する、記事はこちらから
関連特集:
Rhythm内の「電動歯ブラシ」に関する、記事はこちらから