虫歯といえば何もしなくても「あいたたた…」と痛みがでたり、冷たいものや熱いものを食べたときに「しみる~!」となったりするものです。でも、このように痛みが出ることがない虫歯もあるのをご存知でしたか?
痛みが出ない理由は、虫歯が複雑な工程でできあがったり、すでに痛みを感じない神経がなかったりすることなどで、重症化していることも考えられます。
痛くない虫歯はとても危険なのです。本日は、痛くない虫歯とは一体どのようなものなのか、みていきましょう。
歯の痛みというのは、神経で察知するものです。つまり、虫歯で歯が痛いというのは、神経にまで虫歯菌が進み、侵食しているからと考えられます。もし神経が炎症すれば、激痛が襲ってきます。
よって虫歯であっても、神経に達しない場合、痛みを感じないことがあります。しみる程度はありますが、痛みまでは感じないという場合もあるのです。
実は、神経に達しない虫歯というのは、大人のほうが多いといわれています。その理由として、年齢が上がるにつれて、神経が入っている部屋を取り囲む「象牙質」が厚くなるからではないかと考えられています。
痛みは神経が察知すると紹介しました。
よって、神経が死んでしまっていれば、痛みを感じないことはあります。しかし、痛みを感じなくても、その後、顎の骨にまで虫歯菌が及び、血管に入り込んでしまうと、油断はできません。全身に虫歯菌が回れば、やがて心臓や脳で心筋梗塞や脳梗塞のリスクも出てくるためです。
痛みがないと、病気が進行していてもなかなか気づきにくいものです。体は、痛みを感じさせることで、私たちに危険を知らせてくれていると考えれば、痛みがあることは、ラッキーといえるのかもしれません。
もし痛みを感じたら、危険信号ととらえ、すぐに歯科を受診しましょう。また、もし痛みを感じず、黒ずんでいる、様子がおかしいといった歯を見つけたら、もしかすると、すでに進行している虫歯かもしれません。念のため、歯科医に相談してみましょう。
「痛くない虫歯なんてうらやましい」と思っていたあなたは、痛みがあったほうがむしろラッキーなこともあると知って驚いたかもしれません。生涯にわたって、美味しいものを長く楽しく食べ続けるためにも、ぜひ普段から歯に気を配り、虫歯予防・早期発見に努めましょう。
文:リズム編集部
監修:高島美祐 (神谷町デンタルクリニック)
高島 美祐(たかしま・みゆう)
早く確実に治したい方や、何度も再発してなかなか治らなかった方のために、マイクロスコープとCADを使った短期集中治療に特化した歯科医院「神谷町デンタルクリニック」を東京都港区虎ノ門にて開院。歯の病気が早産や生活習慣病、認知症につながることや、かみ合わせの不良により顔のバランスが乱れてしまうことなどを啓蒙している。超高齢化社会において、自分の歯をできるだけ長く残すための治療を実践しており、国内外からの来院がある。
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