歯槽膿漏は、歯周病が重症化したものです。(注:歯槽膿漏は一般固有名称で、医学的には歯槽膿漏とはいわず「重度歯周病」といいます。)
歯茎の炎症だけでなく、膿ができて口臭も生じます。こうなるともはや見た目もよくなく、生活に大いに支障が生じます。自覚症状がある場合、早急に歯科医院を受診してください。そして、日々の歯磨きを通じて、歯周病を治療していきましょう!
歯槽膿漏は、歯茎や歯を支える骨が根こそぎ歯周病菌に侵されることで、進行してしまう病気です。歯槽膿漏になると、歯茎の炎症が進み、赤みや腫れ、痛みのほか、膿ができることで口臭を引き起こします。
さらに問題になるのが、歯茎と歯の間の溝「歯周ポケット」が広がってしまい、歯がぐらついてしまうことです。これでは大事な歯まで失われてしまう可能性があります。
こうした歯槽膿漏を引き起こす発端となるのが、「歯垢(プラーク)」と呼ばれる細菌のかたまりです。これが歯周病や虫歯の原因となるのです。
歯垢は、うがいだけでは取り去ることができません。歯ブラシでしっかりと磨くことで、ようやく取ることができるものです。しかし、歯垢を放置すると、どんどん口の中で硬くなっていきます。これは、唾液中にあるカルシウムなどと結合するためだといわれています。そうしてできあがるのが「歯石」です。歯石は「歯と歯茎の間」や「歯と歯の間」に付着します。
この歯垢から歯石へと変わる期間はたったの2日間ほどといわれているため、毎日、毎食後の歯磨きで歯石化を予防しなければなりません。
歯石になってしまうと、もう歯ブラシでは取り除けません。歯科医院で取ってもらうしかないのです。
こうして歯石になってしまう前に、歯垢は日々取っておきたいものです。また、歯周病は、歯周ポケットにたまった歯垢が取り除けないことでも起きてきます。除去しなければ歯周病が進行してしまいます。歯科医院にお世話にならないためにも、ぜひ予防のための歯磨きを実践しましょう。
そこで、歯槽膿漏を予防する歯磨きのポイントをご紹介します。
ポイントは、歯と歯茎の間、歯と歯の間に歯垢を残さないようにすることです。ただ歯の表面を磨くだけでなく、こうしたすき間も徹底して磨きましょう。
歯ブラシは、ただ上面と側面に垂直に当てるだけでなく、歯と歯茎の間もしっかりと歯垢を取るために、毛先を斜め45度の角度で当てる工程も入れましょう。
このとき、小刻みに動かすのがコツです。
歯の表面は、歯垢をとるためにおおざっぱにゴシゴシするのではなく、毛を軽く歯に押し当てた状態で、小刻みに動かすのがおすすめです。
通常の歯ブラシだけでは、どうしてもすき間の歯垢が取れにくいところがあります。そこでおすすめしたいのが、デンタルフロスや電動歯ブラシなどの他アイテムも併用することです。
毎日、歯をしっかり磨いて、歯槽膿漏を防ぎましょう。
文:リズム編集部
監修:高島美祐 (神谷町デンタルクリニック)
高島 美祐(たかしま・みゆう)
早く確実に治したい方や、何度も再発してなかなか治らなかった方のために、マイクロスコープとCADを使った短期集中治療に特化した歯科医院「神谷町デンタルクリニック」を東京都港区虎ノ門にて開院。歯の病気が早産や生活習慣病、認知症につながることや、かみ合わせの不良により顔のバランスが乱れてしまうことなどを啓蒙している。超高齢化社会において、自分の歯をできるだけ長く残すための治療を実践しており、国内外からの来院がある。
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