「最近、歯茎から血が出るんだけど大丈夫かな?」
「虫歯には十分気をつけて、毎日歯をちゃんと磨いているのに歯周病が進行していた…」
今、歯肉炎から歯周病に進行している人は増えているといわれています。歯周病を防ぐには、もちろん口の中を清潔にしていることは重要ですが、その他、ストレスやたばこが原因になっていることもあるのです。
今回は、歯周病の原因のうち、意外なストレスやたばこなどについてご紹介します。
歯周病は、日頃の歯磨きを怠り、歯垢を除去していないことなどが原因で、歯周病菌が繁殖して起こる病気です。しかし、実際には、歯周病にかかるのには、歯磨きを怠ることだけでなく、さまざまな要因が積み重なっているのです。
例えば、精神的なストレスも、歯周病の原因であると考えられています。もちろん、ささいなストレスであれば問題ないですが、長期的に強いストレスがかかり続けると、うつ状態に陥ることがあります。すると、人は歯ぎしりをする傾向があります。
実はこの歯ぎしり、歯周病菌が増殖する「歯と歯茎の間の隙間」をつくることにつながりますし、炎症によって弱っている歯茎に対しては、よくない影響が及んでしまうこともあるのです。
歯周病とストレスの関係性を考えるときに、ぜひ知っておきたいのが、唾液のことです。ストレスがかかると、唾液の分泌が減少してドライマウスになることがあります。この唾液は、歯の健康状態に大きな影響をもたらします。
唾液の中には、食物を消化する機能だけでなく、口の中の細菌を殺す抗菌物質も含まれています。よって、唾液の減少を放っておくことは、歯周病菌や虫歯菌の繁殖を野放しにしてしまうことと同じなのです。
唾液の量に気をつけることは、歯周病予防の第一歩。唾液を減少させないためにも、ストレスケアは欠かせません。
実は、たばこを吸うことも歯周病のリスクがあります。なぜたばこで歯周病が起きるのでしょうか。
まず、たばこを吸うと、歯肉の血管が縮小します。これはニコチンや一酸化炭素によるものです。これにより、歯肉が堅くゴツゴツした状態になります。なぜこの状態が良くないのかというと、「歯肉炎」という歯周病の初期症状が起きたときに、出血せず気づかない可能性が高いからです。
また、たばこを吸うと、ニコチンなどの物質が血行を悪くさせるため、唾液の分泌機能が低下し、唾液量が減ります。唾液が減ると、先に紹介した通り、口の中の悪い細菌が増えてしまいます。
よって、たばこを吸うと歯周病リスクが高まります。また、すでに歯周病になっている場合には、治りにくくなるともいわれています。たばこを吸う習慣がある方は十分気をつけましょう。
また、歯周病は糖尿病の合併症として知られていますが、たばこを吸っていると、糖尿病にかかっているのと同じくらい歯周病が進行しやすくなるといわれています。
歯周病は、ただ口の中のケアだけでなく、ストレスやたばこなどにも関係しています。ぜひ規則正しい生活と禁煙を心がけ、ストレスケアをしっかり行いましょう。
文:リズム編集部
監修:高島美祐 (神谷町デンタルクリニック)
高島 美祐(たかしま・みゆう)
早く確実に治したい方や、何度も再発してなかなか治らなかった方のために、マイクロスコープとCADを使った短期集中治療に特化した歯科医院「神谷町デンタルクリニック」を東京都港区虎ノ門にて開院。歯の病気が早産や生活習慣病、認知症につながることや、かみ合わせの不良により顔のバランスが乱れてしまうことなどを啓蒙している。超高齢化社会において、自分の歯をできるだけ長く残すための治療を実践しており、国内外からの来院がある。
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