歯周病は、進行すると歯肉だけでなく顎の骨までも破壊してしまうおそろしい病気です。侮っていると、命を落としかねないのです。このことから、多くの人が今、歯周病対策に精を出しています。
まだ着手していない人はぜひ、そのセルフケア方法を見ていきましょう!
歯周病とは、口の中にいる細菌のうち、「嫌気性グラム陰性菌」と呼ばれる種類の「歯周病菌」が歯茎の奥で繁殖し、やがて歯茎や歯の骨までをも破壊する感染症です。
この歯周病菌の怖さは、歯と歯肉の間から簡単に体内に入り込み、血管内に入って全身をかけめぐること。そして血栓を作ったり、血管の壁をもろくしたりするところにもあります。
歯だけでなく、全身を侵す恐れのある歯周病は、やはり未然に防ぎたいものです。
まだ歯周病の症状が出ていないのであれば、今のうちから歯周病予防を自宅で実践しておきましょう。主な予防法をご紹介します。
通常の歯磨きで食べかすなどを取り除くのはもちろん、歯周病予防には歯垢(プラーク)をとることが大切です。
歯垢とは、細菌と代謝物によってできたかたまりのことで、歯の表面に付着するねばねばしたものです。1mgに1億個以上の細菌がすんでいるといわれており、ここには歯周病菌はもちろん、虫歯菌もいます。基本のケアは、この歯垢取りといっても過言ではないのです。
歯垢を取るには、通常の歯ブラシや電動歯ブラシ、デンタルフロスなどを使用するのが一般的です。
電動歯ブラシは、振動で歯垢を除去することができたり、歯肉をマッサージしたりする効果があるので、歯周病予防には大いに活躍するアイテムです。振動も縦と横の振動を組み合わせた立体的なものも出ています。
歯肉マッサージでは、血行をよくして歯茎を引き締める効果が得られます。
たばこを吸うと、歯茎が炎症を起こしても出血しなくなるため、進行に気づきにくくなるといわれています。また、口の中がたばこによって栄養不足になると、唾液が減って、細菌を殺すことができなくなります。たばこはできるかぎり控えるようにしたいものです。
ちなみに、歯周病は糖尿病の合併症というのはよく知られていますが、たばこを吸っていると、糖尿病にかかっているのと同じくらい、歯周病の進行が早くなるといわれています。
歯周病予防のセルフケア方法、いかがでしたでしょうか。いつまでも美味しいものを自分の歯で食べ、笑顔で思いっきり白く健康な歯を見せられるように、ぜひ、今から歯周病予防策を、はじめておきましょう。
文:リズム編集部
監修:高島美祐 (神谷町デンタルクリニック)
高島 美祐(たかしま・みゆう)
早く確実に治したい方や、何度も再発してなかなか治らなかった方のために、マイクロスコープとCADを使った短期集中治療に特化した歯科医院「神谷町デンタルクリニック」を東京都港区虎ノ門にて開院。歯の病気が早産や生活習慣病、認知症につながることや、かみ合わせの不良により顔のバランスが乱れてしまうことなどを啓蒙している。超高齢化社会において、自分の歯をできるだけ長く残すための治療を実践しており、国内外からの来院がある。
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