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マインドフルネスな生活リズムの整え方 Vol.3 〜リラクゼーション&快眠のためのボディスキャン瞑想〜

マインドフルネスな生活リズムの整え方 Vol.3 〜リラクゼーション&快眠のためのボディスキャン瞑想〜

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マインドフルネスな生活リズムの整え方 Vol.3 〜リラクゼーション&快眠のためのボディスキャン瞑想〜

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| リラックス | 睡眠 | 瞑想 |

マインドフルネス瞑想のエキスパートでRhythmアンバサダーでもある長谷川洋介さん。

前回は、ビジネスパーソンに役立つマインドフルネス瞑想に関する連載『ビジネスパーソンのためのマインドフルネス瞑想』を4回にわたって紹介してきました。今回は、老若男女を問わず、すべての人がマインドフルネスを普段の生活に取り入れながら生活に根ざしたものにすることにより、生活リズムを整えていくために役立つ方法を5回にわたって紹介します。

今回は、リラックスしたり、快眠のために役立つボディスキャン瞑想の方法についてです。

マインドフルネスな生活リズムの整え方 Vol.2(後編)〜食べる瞑想で食生活リズムを整える〜より続く)

日常生活のなかでリラックスできていますか!?

今回はリラックス&快眠のためのマインドフルネス瞑想をご紹介いたします。まず、みなさんに問いかけたいのは、「ちゃんとリラクゼーションできていますか?」ということ。そして、「ちゃんと睡眠をとっていますか?」ということです。

街を歩いていると、ものすごく緊張した雰囲気の人が多いと感じることがよくあります。行き交う人々の顔を見てみると、みんな眉間にしわを寄せた感じで歩いていたり、なんだかとても急いでいるように歩く人ばかりだったりします。リラックスして楽しそうに歩いているとか、楽しい感じで街を歩いている人ってあまり見かけないような気がします。

そんな様子を見ていると、「もうちょっと肩の力を抜いてもいいじゃないかなあ」とか、「もうちょっと微笑んで歩くくらいの余裕があったほうがいいんじゃないのかなあ」などと思ってしまいます。いつも何かに追われるように急ぎ、しかめっ面でいるのではなく、日常生活のなかでちょっと力を抜くような感覚でいるようにしたいところです。

私が所長を務める東京マインドフルネスセンターは、精神科と診療内科のある病院「赤坂クリニック」に併設されているので、様々な心の病を抱えている方々も通っていらっしゃいます。なかでも睡眠障害で困っている人がとても多い。グッスリ眠れないといったものですね。

そういった睡眠障害に悩む人というのは、生活リズムが狂ってしまい、夜起きて朝眠くなる昼夜逆転になりがち。そうなると、ちゃんとした活動ができなくなり、さらに心の病も悪化してしまうといった悪循環に陥ってしまうのです。

リラクゼーション方法や睡眠障害の問題解決についてはマインドフルネス瞑想だけでなく、筋弛緩法など様々な方法があります。今回、紹介するボディスキャン瞑想は、たくさんある選択肢のなかのひとつと捉えていただければと思います。人によってそれぞれ合う方法があると思いますので、自分に合いそうだと思っていただけるのであれば、ぜひ、試してみていただきたいと思います。

ボディスキャン瞑想とは!?

もともと、マインドフルネス瞑想はリラクゼーションをすることが目的ではないので、厳密に言えば、ボディスキャン瞑想はリラクゼーション法とは言えません。しかし、このボディスキャン瞑想をすることで身体を休めたり、リラックスできる状態を作りやすくなるので、ぜひ、活用していただければと思います。

心の病を抱える方を対象としたセッションでは、ヨガをやった後にこのボディスキャン瞑想を最後に行います。睡眠障害で眠れなくて困っている人が「ここだと眠れちゃうんですよね」と言う人が多い。家では眠れなくて困っているのに、ボディスキャン瞑想をした後は熟睡できる人もいるということですね。

もちろん、寝るためにやるものではないので「寝ないようにしてください」とは言うのですが、それでも寝てしまう人がチラホラ(笑)。少し眠って、スッキリしたと言って帰っていく人も珍しくありません。そういう状況ですから、睡眠導入の意味でもうまくやれば有効かもしれないということを臨床の現場経験から感じています。

ボディスキャン瞑想は、マインドフルネス瞑想のひとつです。基本的なやり方は、まずは仰向けになってから、「自分の意識で自分の身体をひとつひとつ、スキャンするように意識を向けていく」ことで、「そこにどんな感覚があるのかを感じ取っていく」というトレーニングです。

その時に何か考え事をしてしまったり雑念が出てきたりしたら、他のマインドフルネス瞑想と同じように、また自分の“身体感覚”に戻ります。つまり、今、意識を向けている身体の部分にどんな感覚があるのかということを感じ取ることに集中する。それを足のつま先から頭まで全身、順番にやっていくというものです。

身体感覚を感じ取ることは身体のケアに繋がる

この“身体感覚に戻る”というのは、もうちょっとわかりやすく説明しますと、身体が持っている感覚を感じ取るということです。例えば、皮膚であれば、冷たさとか温かさ、乾いた感覚、汗をかいていて湿っている、ひんやりして身体が冷えてきたといった感覚などなど……。身体内部の感覚であれば、温かい感じ、冷たい感じ、重さがあるとか、筋肉の感じがどうだとか、そういったあらゆる身体の感覚を感じ取っていくことが身体感覚に戻るということになります。

少しやってみると、普段、感じ取っている感覚よりも、より繊細な感覚を感じ取れるはずです。ほとんどの人が自分の身体に注意を向けることはあまりないと思いますので、今一度、自分の身体に注意を向け直してみていただきたいと思います。

自分の身体に注意を向けるようになれば、自分の身体に気づきやすくなっていきます。例えば、「ここにコリがあるなあ」とか、「つまりがあるなあ」など、普段は気づかないでいるような身体の不快感であるとか、調子の悪さ、逆に調子の良さなどにも気づくことができるようになります。そうなって初めて「自分の身体を自分でケアする」という方向に切り替えていけるようになります。

呼吸をうまく使うことで血流が良くなる

このボディスキャン瞑想をしているときに、呼吸もうまく使うといいでしょう。不快に感じた部分、コリを感じる部分に呼吸を通していくといったイメージで繰り返していると、不思議とその部分を緩ませることができるようになります。「あ、ここが詰まっているな」と感じたのであれば、その時に自分の呼吸を感じて、コリのある部分に意識を向けるといったイメージです。

すると、ちょっと説明は難しいのですが、その部分に少しスペースができるような感覚になり、不快感だとか詰まり、コリといったものが少し和らぐような感覚になりやすい。もちろん、これは誰でもそうなるというわけではありません。その人に合っていて、うまくやることができれば、このような感覚を得ることができるわけです。

身体感覚と呼吸を同時に感じ取ることができるようになるには、個人差があります。人によってはすぐに感覚を掴む人もいますし、合わない人はなかなか掴めず、まったく効果がないこともあります。それでも、自分の身体に注意を向けてあげるだけで、その部分が何か温かくなってきたり、血流が良くなるような感覚が出てくると言う人は多いと思います。自律訓練法などでも、身体の部分に注意を向けると、温かくなってくるとかジワジワしてくるといった感覚を得ることがありますが、それに近いものと考えていただければいいでしょう。

ボディスキャン瞑想は、疲れているときに心と身体を“休みやすい状態”にしてくれます。動かなくてもいい方法ですので、疲れているなあとか、緊張しているなあという時に、動画を参考にしながらぜひ、実践してみてください。

ボディスキャン瞑想の手順

1 仰向けに寝転び、手を身体の横に置き、そっと目を閉じて全身の力を抜く。最初は頭のてっぺんから足のつま先まで、今、全身がどういう状態なのかを味わうように感じ取る。


2 全身を味わったら、右の手のひらに注意を向ける。最初は皮膚の感覚を感じ取り、徐々に身体の内部の筋肉や血管、骨などの感覚をできるだけ感じ取る。

3 右手の次は左手へ注意を移す。右手と同じように感じ取る。もし、何も感じ取ることができなければ、その感覚をありのままに受け取るようにする。

4 両手を首の後ろに持っていき、手のひらで首を包み込むようにする。両方の手のひらと共に首の部分を手で触れたときの皮膚表面や身体内部の感覚を感じ取る。


5 胸のあたりに両手を置き、同じように皮膚表面や身体内部の感覚を感じ取る。


6 下腹部のあたりに両手を置き、同じように感覚を感じ取る。特に下腹部の場合は、内臓が動いている感覚などもよく感じ取るように意識する。


7 最後に再び手のひらを身体の横に戻して、最初と同じく全身を感じ取りながら、ゆっくりと呼吸をする。よく吸ってゆっくり吐くようにしつつ、吸う呼吸が全身に満ちていくイメージで。

8 最後に、手のひらや指先を少しずつ動かして両手をグッと握る。力が戻ってきたところで、両手を組んで大きく伸びをするように頭の上に動かす。伸びをするときに大きく息を吸い、吐くときに力を抜く。少し身体を揺すってから、ゆっくり起き上がる。

動画で実践! ボディスキャン瞑想

動画出典:ボディスキャン瞑想 – 東京マインドフルネスセンター

普段、感じることのない身体の表面や内部の感覚を感じ取ることができたでしょうか? すぐにうまくできる人もいれば、なかなか感覚が掴めないという人もいて、個人差があります。ちょっと身体が固くなっているなあとか、疲れているなあといったときに実践してみていただけると、次第に感覚が掴めるようになると思います。

このボディスキャン瞑想は、1日の終わりや、寝る前などにベッドの上でやるのがいいと思いますが、緊張しているときに実践するのもいいでしょう。企業で指導するときにも、緊張し続けることが多い忙しいビジネスパーソン向けに強くオススメしています。

ボディスキャン瞑想は、私が学んでいるマインドフルネス・ストレス低減法のプログラムのなかでも重要視されているもので、最初の2週間、毎日45分間の実践が課されるほど。ずっと続けていくトレーニングでもあります。

今回は、ダイジェスト版ということで6分強の動画にまとめてあります。最初はこの動画を見ながら実践してみてください。慣れてきたら、無理のない範囲で時間を延ばしていくようにしてみてください。

マインドフルネスな生活リズムの整え方 Vol.4 〜心と身体をチューニングする動作瞑想〜へ続く)

取材・文:國尾一樹
撮影:たつろう
撮影協力:東京マインドフルネスセンター

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