こんにちは。「毎日すっきり健康に」ウンログの田口敬です。今回は、話題となっている腸活(ちょうかつ)、そして腸内環境を整えると話題の”腸内フローラ”についてふれてみたいと思います。
腸内フローラとは、腸に住み着く細菌(微生物)の集まりのことを言います。別名、腸内細菌叢(そう)とも言われています。
2015年2月に「NHKスペシャル 腸内フローラ~解明!驚異の細菌パワー~」という番組で、腸内フローラの特集があってから、メディアで取り上げられることが増えました。皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
ヒトの細胞が約60兆個に対して、腸内細菌はその約2倍の100兆個あると言われています。僕らのお腹の中に、ものすごい数の細菌が住んでいることになります。
そして、最新の研究によって、これら腸内細菌たちが、
・肥満を防ぐ
・肌を若返らせる
・アレルギーを防ぐ
・がんを防ぐ
・うつ症状を防ぐ
など、美容と健康とメンタルに影響をもたらしていることが、次々と発見されてきました。あまりにも多くのことが関係しているため、「本当なの?」と疑いたくなりますね。今、まさに世界的に研究が進んでいて、これからもっとたくさんの発見がされてくると思います。まるで、宇宙!
2006年にワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士が、「腸内細菌叢が肥満に影響する」という論文を発表しました。報告内容は「痩せているマウスに、太っているマウスの腸内フローラを移植すると、痩せているマウスが太る」というもの。
マウスだけでなく、ヒトでもデブ細菌(肥満に影響する腸内細菌)が増えてしまったら、とにかくどんどん太ってしまうのです!こんな恐ろしいことはないですよね。
デブ菌が多いというのは相対的な話で、痩せやすい菌が少ない状態といえます。腸内フローラの多様性が損なわれた状態です。
具体的には、
• 油っこい食べ物ばかり食べる
• 抗生物質を飲む
• お菓子ばかり食べる
• アルコールを大量に飲む
• 過剰なストレス
• 運動不足
など、それって肥満の人だよね……となりそうですが。こういった生活習慣が、腸内フローラの多様性を損ない(脂肪の吸収を抑える働きをする腸内細菌が減ってしまい)、太りやすくなってしまうのです。
腸内フローラの多様性がなくなると太りやすく、病気にもなりやすくなります。逆に、腸内フローラの多様性を増やせば、痩せやすく、病気に強い体を得られることが分かってきました。
では、腸内フローラの多様性を増やすには、どうしたらよいでしょう?
食物繊維は、胃や小腸で消化吸収されずに大腸までいき、腸内細菌のエサになります。食物繊維は、肉や魚などにはほとんど含まれていません。豆・野菜・果実・きのこ・海藻などに多く含まれています。トウモロコシがそのまま便ででてくるのも、食物繊維だからです。
まずは、毎日の食事の中で、食物繊維を多く摂るように気を付けると良いのではないでしょうか?
腸内フローラは食生活で簡単に変化します。腸内フローラの良し悪しを簡易的に見るには、うんちチェックがおすすめです。うんちの1/3は腸内細菌です。うんちを見ることで腸内フローラの状態や変化も、敏感に分かるようになってきます。
例えば、トイレで色が濃く、匂いのキツイ便が出た時に、
「ああ、昨日は焼肉をたくさん食べたから、悪玉菌が増えたのかな。今日は野菜や発酵食品を多めに食べてバランスを整えよう。」
と原因と対策が思い浮かびます。(もちろん、焼肉は美味しいですし、それ自体をやめる必要は全くありません!)
たまに、楽しみのために腸内フローラのバランスが乱れる食事をしても、それをすぐにリカバリーできるよう、腸内フローラの多様性を意識してみてはいかがでしょうか。
文:リズムアンバサダー 田口敬
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