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日頃のストレスをリフレッシュするために、温泉に入る方も多いのではないでしょうか。しかし、温泉に入るとかえって疲れを感じてしまう方も少なくないようです。
リフレッシュするために訪れた温泉で、逆に疲れてしまっては意味がありません。今回は、温泉に入って疲れる原因と、疲れない温泉の入り方をご紹介します。
温泉に入ると疲れると言っても、その症状はさまざまです。まずは、温泉に入ると疲れるメカニズムと症状についてご紹介します。
温泉で体を温めると、体内の熱を逃がすためにエネルギーを消費して汗をかきますが、これは有酸素運動をしているのと同じ状態です。すなわち、温泉に入ると疲れるのは気のせいでも入り方が悪いわけでもなく、当然と言えます。疲れのなかでも、良い症状と悪い症状があることを知っておきましょう。
特にぬるいお湯でゆっくり体温を上げると、副交感神経が優位に立って脱力感を感じます。これは、体がリラックスしている証拠なので心配ありません。
温泉に入って動悸、めまい、眠気を感じた場合は注意が必要です。急激な体温上昇で血圧が高くなると、水圧で心臓にかかる負担が大きくなり、動悸が激しくなることがあります。
また、めまいや眠気は、脳に血液が十分供給されていない脳貧血の可能性も考えられるでしょう。このような場合は、急に動いたりせず、湯船の縁に腰かけて症状が落ち着くのを待つようにするのがベストです。
十分な水分補給は、温泉に入った疲れを軽減するのに最も効果があります。適切なタイミングで水分補給をしつつ、入浴するようにしましょう。
温泉で汗をかくと、脱水症状を引き起こす可能性があります。温泉に入る前には、しっかりと水分補給をしましょう。水分が体に吸収されるまで時間がかかるので、入浴する15分ほど前に飲むのがおすすめです。
また、体内の水分が減少すると血液がドロドロになり、脳に供給される血液の量も減ってしまいます。そのため、温泉から出た後にも水分を補給してください。これにより、全身に血液が行き渡って疲労の回復が促されます。
補給する水分は、水・お茶・スポーツドリンクなどがおすすめです。アルコールでは水分補給したことにはなりません。体内にアルコールがある状態で体温が上昇すると、急激に酔って転倒したり、意識を失う可能性があるので控えてください。
温泉に入るタイミングも疲れの度合いに影響します。入浴を避けるべきタイミングを知って、極力疲れを感じないようにしましょう。
食事をした直後は、消化や吸収を促すために、胃や腸に血液を集中させる必要があります。しかし、食事の直後に温泉に入ってしまうと、血液が体全体に行き渡って胃腸への血液供給が減り、消化不良や胃もたれ・吐き気などを感じることがあります。
食後は30~45分ほど休憩してから、温泉に入るようにしましょう。
運動した直後は、筋肉の疲労を回復させるために、血液が筋肉に酸素と栄養素を補給している状態です。しかし、温泉に入ると痛んだ筋肉への血流が減少してしまいます。運動した後は、クールダウンやストレッチで心拍数を正常値に戻してから入浴してください。
また、激しい運動の直後は筋肉が炎症を起こしているので、温泉でさらに温めると疲労の回復が遅れてしまいます。大きな負荷をかけた筋肉は、アイシングしてから入浴するようにしましょう。
温泉に入った疲れを軽減するためには、急激な体温変化を抑制することが重要です。温泉で体温をコントロールするには、ほんのわずかなことに気をつけるだけで簡単にできます。
湯船に入る前にするかけ湯は、体の汚れを落とすことだけが目的だと思っている方も多いかもしれません。実は、かけ湯には、体温をお湯の温度に近づける役割もあるのです。温泉に入る前には肩からかけ湯をして、体をお湯の温度にしっかり慣らしましょう。
湯船に勢いよく入って肩まで浸かると、温度と水圧の急激な変化で心臓に負担がかかります。体温がお湯の温度に徐々に近づくように、下半身から順にゆっくり浸かるようにしましょう。
また、露天風呂での半身浴は、首や肩の血行を悪くしてしまい、凝りの原因になる可能性があります。肩にタオルをかけたり、首や肩にかけ湯をして、体温の低下を抑えると良いでしょう。
ちょっとした工夫をするだけで、温泉に入っても疲れないようになります。温泉に行く際は、今回ご紹介した十分な水分補給、温泉に入るタイミング、体温のコントロールに気をつけて、入浴を楽しみましょう。