インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、食事療法という治療が一般的に行われており、食べることに関する多くの知恵を私たちに授けてくれます。
とくに、「アーマ(毒素)」を溜めず、「アグニ(消化力)」を促進させてくれる食事を意識して摂ることが大切とされており、それが食事療法の基本となります。
アーマとは、身体と心の未消化物、いわゆる毒素のことです。
食べ物は、きちんと消化されることで心身のエネルギーとなってくれますが、消化・排出されずに体内に残った余分な物は、毒素として蓄積され、私たちの心身に悪影響を及ぼします。
そして、アグニとは、食べ物を消化しエネルギーに変換する力のこと。
このアグニの力がうまく働くことで、食べた物がスムーズに消化され、体内にアーマが蓄積されにくい健康的な心身を保つことができます。
アーユルヴェーダには、アグニを促進し、アーマを体外へと排出してくれる素晴らしいレシピがたくさん存在しています。
以下に、基本的な2つのレシピをご紹介しますね。
緑豆と一緒に煮るお粥は、消化を促すだけでなく、取り入れるスパイスの効能や野菜の栄養価も期待できます。
・米 1/2カップ
・皮をむいた緑豆 1/2カップ
・油 大さじ1
・クミンシード 小さじ1
・おろし生姜 ひとかけ
・ターメリック 小さじ1/4
・塩(岩塩がベター) 適量
・水 お好みの量
・季節の野菜などお好みで
・お好みのスパイスを足してもOK
1 緑豆は30分ほど水に浸けてザルに上げ、米も洗ってザルに上げておく。
2 鍋に油をひき、クミンシードを弱火で熱する。香りがしてきたら生姜、ターメリックを軽く炒め、さらに緑豆と米も2~3分一緒に炒める。
3 水と塩を加えて煮立たせたら蓋をし、弱火で30分ほど煮て野菜を加え、さらに10~15分ほど煮る
(焦げないように時々混ぜながら、必要であれば水を足して調整する)。
4 塩で味を調えて、できあがり。
インドの食用油といえばギー。バターから不純物を取り除いた純粋な乳脂肪であり、アーユルヴェーダでは、最も優れた食用オイルといわれています。
無塩バター 500グラム
1 鍋にバター全量を入れ、中火で熱し溶かしていきます。
2 固まりがなくなるまで溶け、沸騰したら弱火にします。パチパチとバターの中の水分が蒸発する音が聞こえてきます。
3 40~50分、一番弱い火で沸騰させ続けます。
4 パチパチという音が静まり、バターが黄金色になってきたら火を止めます。
5 キッチンペーパーなどでバターをゆっくりろ過したら、ギーの完成です。
※清潔なガラス瓶などに入れて冷暗所で保存し、1カ月ほどで使い切りましょう。
※寒いと白く固まりますが、品質に問題はありません。
良い食習慣は、まず意識することから。一つひとつ、アーユルヴェーダの教えを普段の食生活に生かしていきましょう!
文:erica