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免疫に異常が起こることにより手足の関節が腫れ、痛みが強く出るなどの症状が表れるリウマチ。
リウマチは主に30~50代の女性に多く表れますが、場合によっては60代でも発症し、進行してしまうと関節が動かせなくなり、日常生活が大きく制限されてしまいます。
リウマチにはどのような治療法があり、どこで診てもらえばいいのでしょう。治療費の目安などもあわせてご紹介します。
リウマチの薬物療法は「非ステロイド性抗炎症薬」「ステロイド」「抗リウマチ薬」「生物学的製剤」の4つに分けられます。
以前は炎症や痛みを抑えるだけの効果でしたが、現在では病気の進行を食い止める働きや、関節が破壊されるのを防ぐ働きなど、治療の効果も高まってきました。
最新のリウマチ治療においては、薬物療法を中心に、手術やリハビリを併用することで、リウマチからの早期回復を目指しています。
膝や股関節を人工の関節に入れ替え、リウマチ以前の働きが戻るように手術を行います。
人工関節は以前より品質改良が行われているため、現在では耐用年数も飛躍的に伸びています。
また麻酔の技術も進歩しているため、高齢者でも安全に手術を行うことが可能です。
リウマチのリハビリテーションは、痛みや炎症の程度に応じて、積極的に行うかどうかを決定します。
リハビリテーションの内容としては、無理のない程度に体を動かす運動療法や、水や温熱で刺激する理学療法、回復に向けて指導を行う作業療法などがあります。
いずれも変形が進行しないよう、保護しながら行うことが大切です。
リウマチが発症した際、できるだけ早めの回復を目指すためには病院を正しく選択する必要があります。
リウマチ治療には薬剤治療が欠かせません。そのなかでもリウマチの特効薬と言われているMTX(リウマトレックス・メトトレキサート)という薬があります。
これらは適切に投与すれば効果を発揮しますが、投与経験が少ない病院などでは、十分に効果を得られない可能性があります。
リウマチの治療をしていても、関節に軽い痛みが残る場合が多いです。その際、関節注射を用いてステロイドを投与することがあります。ステロイドは炎症を抑える効果が期待できますが、関節リウマチに対しては効果が限定的であり、副作用もあります。
関節リウマチの領域では、2005年から2010年にかけて寛解に至った人が2倍以上に増えており、疾患のコントロールが以前よりも容易になっています。
もちろん治療法が重要な要素であることには変わりませんが、患者側が正しい知識を持つことも大切です。
寛解の判断基準には患者自身の評価も含まれるため、ある程度知識がないと、正しい判定ができません。
また、患者側が正しい知識を持つことで、主治医とのコミュニケーションコストが下がり、治療がスムーズに進みます。
リウマチ治療において、症状がなくなり、血液検査の数値も正常に戻ることを「寛解(かんかい)」と言います。
リウマチ治療においては、生物学的製剤や、抗リウマチ薬などの進歩により、以前に比べて寛解する患者が増えており、今後も増えていくことが予想されます。
寛解において重要なことは早期治療です。発症1~2年以内に適切な処置を施せば、完治率も高くなることが多くの研究で示されています。
リウマチの症状がでて関節破壊が進むと、日常生活に支障をきたすほどの機能障害が進行します。症状が出始めたら早期に専門医に相談することで、治療期間も短期間で済みますし、薬剤投与の量を減らすこともできます。