ランニングコーチの青山剛です。
前回のコラムでは正しく走る(=体幹を使って走る)ための手順「3S」の一つ目のSである、「ストレッチ」を紹介しました。
今回は前回のストレッチで伸ばした「肩甲骨周り」が走りで使えるように「スイッチ」を入れたいと思います。
このスイッチとは、正式には「体幹スイッチ・エクササイズ」と言って、ストレッチで伸ばした後に、体幹を中心に少しエクササイズ(分かりやすく言えば軽い自重筋トレ)を行い、程よく「良い筋肉痛」を起こします。これにより、いざ走り出したら、走る上で使いたい筋肉群が動員されやすく、正しい走りに繋がっていくという私が提唱している理論です。
今回は数あるスイッチの中でも、前回のストレッチで伸ばした肩甲骨周りが走りでしっかり活かせるように、誰でも出来る簡単な肩甲骨系のスイッチを2つ紹介します。
写真:肩甲骨上下×20(手のひらを前に向けて腕を上げる)
写真:同(手のひらを外に向けながら腕を下げる)
まず立った状態で、手のひらを前に向けて両腕を上げます。この時肩甲骨が腕につられて
上にあがります。そして手のひらを外に向けながら、肩甲骨をぎゅっと寄せるように腕を下ろします。ここでのポイントは、手のひらをしっかり外に向けることです。
そのことで、上がった肩甲骨が寄りながら下に降りてきますので、20回メリハリ良く行ってください。簡単なエクササイズですが、普段デスクワークが多い方は特に、凝り固まった肩甲骨周りが徐々に使えるようになりますので、驚くほど楽に走れるようになってきます。
写真:肩甲骨開き×20(手のひらを上に向け、胸の前で合わせる)
写真:同(親指をしっかり後ろに引いて、腕を引く)
同じく立った状態で、手のひらを上に向けて胸の前で合わせます。そして、手のひらを上に向けたまま、親指を後ろに引くようにして肩甲骨をぎゅっと寄せます。腕は地面と平行を保って行います。実際には肩甲骨開きというより「胸開き」。胸がしっかり伸びて開き、前に戻すときに胸周りの筋肉が使われます。
前回のストレッチ編でもありましたが、肩甲骨をしっかり動かすためには、胸周りの柔軟性、動きも必要不可欠です。20回、同じくメリハリ良く行いましょう。
この2つの肩甲骨スイッチは、女性で言えば「バストアップエクサ」にもなりますので、ランニングでスタイルアップを目指したい女性は特に、前回のストレッチ同様、走る前にしっかり行うようにしましょう。
このコラムをご覧になっている女性の方は「走るのは速くなりました。でも脚が太くなり、スタイルを崩しました」は避けたいはずです。「健康的に長く続けられるランニング」のためにも、走る前のストレッチ、スイッチは欠かさずに行いましょう。
次回は3Sの最後「ストレングス=走る」についてです。
走り出して「余計なこと」をしている方が多いようですから必見ですよ。
文:リズムアンバサダー 青山剛
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