ランニングコーチの青山剛です。
前回から始まったこのコラムでは「健康的にずっと続けられる正しいランニング」をテーマに、基本的な考え方から実践のコツをお伝えしていきます。
前回、正しいランニング方法とは「怪我や故障なく快適なランニングが続けられること」、そして身体の面では「いかに足を節約して走れるかの追及」だとお話ししました。
今回はより具体的にお話ししていきましょう。
よく、速く走れる人のことを「足が速い」と言います。野球など球技で投げる球のスピードが速かったり、遠くまで投げたり出来る人を「肩が強い」と言います。
この「言葉のレール」につられてしまい、速く走ろうとしたら足を鍛え、球速をアップしたければ肩を鍛える、そんな風潮が昔から日本にはありますが、この考えから改めなければなりません。
例えば、今のランニングブームは、
・ランニングを上達(=タイムアップ)したい
↓
・とにかく走り込んで、足を疲れさせて鍛える
となっている方が多くいます。
これはまさに言葉のレールにまんまと乗っかり、足を必要以上に酷使していて、怪我、故障を引き起こしてしまっている方が急増しているのです。よく考えてみれば、走るということに足だけを使わないといけないというルールはないことに、まず気付かなければなりません。
ではどういった走りが正しいランニングになるのでしょうか?
それは「体幹を使った走り」です。
写真:赤枠が体幹
体幹とは、字のごとく体の幹の部分、反対に手足は枝葉にあたります。
幹をゆすれば枝葉はつられて(連動して)動いて「しまう」。
これをランニングに置き換えると、体幹を動かせば、足がつられて動いて「しまう」。
このような、体幹主導で足を連動させることが、体幹で走れるようになるはじめの一歩となります。
ではなぜランニングは体幹主導が良いのでしょうか?
とても簡単に言えば、体幹は疲れづらく、足は体幹に比べて疲れやすいからです。
もちろん足を使わないで走ることは出来ませんが、体幹主導で足を連動させ走ることで、「有限エネルギーな足」を節約して走ることが出来るのです。
対して体幹は足に比べると「無限エネルギー」なイメージとなります。
しかし「体幹を使えば速く走れるようになる」といった考え方はかなり危険です。
正しくは、
・体幹を使えば、ペースダウンが先延ばしに出来る
↓
・結果、ゴールタイムの落ち幅が少なくなり、速くなる
と考えます。
このことは今後のコラムでもう少し詳しく解説していきます。
最後に、これらのことをこのコラムのテーマ的に置き換えると、体幹を使って走れるようになれば、足の負担が減り、怪我、故障のリスクも下がり、結果、「長く健康的に続けられるランニングとなる」というわけです。
次回のコラムからは、この「体幹で走れるようになる方法」を解説していきます。
キーワードは、体幹は鍛えるのではなく「使えるようにする」です!
文:リズムアンバサダー 青山剛
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