ランニング&トライアスロンコーチの青山剛です。
先日開催されたリオ五輪では、日本選手の活躍が素晴らしかったですね。私が現役時代に競技として行っていたトライアスロンも、大変盛り上がりました。
夏の間、このコラムでは、ランナーの皆さんのための「トライアスロン的夏トレ」の方法をいくつかご紹介してきましたが、実際にトライアスロン大会へ出場したくなってきた方も多いのではないでしょうか?
「トライアスロン」と一口に言っても、ランニング同様に、さまざまな距離の大会があります。まずはその紹介からです。
■ショート・ディスタンス:750m以下、20km以下、5km以下
■スプリント・ディスタンス:750m、20km、5km
■スタンダード・ディスタンス:1.5km、40km、10km
■ミドル・ディスタンス:2~3km、60〜90km、20km前後
■ロング・ディスタンス:3km以上、100km以上、30km以上
■アイアンマン・ディスタンス:3.8km、180km、42.195km
距離が短い「ショート」や「スプリント」は、速い方ですと1時間前後で走り切ることができます。国内で一番人気があるオリンピックと同じ距離の「スタンダード」は、2〜3時間前後になります。
一番長いとされている「アイアンマン」だと、世界のトップでも8時間、遅い方ですと13時間以上かかることもあります。
私の競技経験上、もし全力で頑張った場合、「身体にかかる負荷」をランニングと比較すると、大体、以下のようになります。
■ショート〜スプリント・ディスタンス:10〜15km前後のランニングに相当
■スタンダード・ディスタンス:ハーフマラソン〜25km前後のランニングに相当
■ミドル・ディスタンス:フルマラソン前後のランニングに相当
■ロング〜アイアンマン・ディスタンス:ウルトラマラソン(70〜100km)のランニングに相当
「負荷」的には上記のようになりますが、「負担」的には、圧倒的に「ランニングだけ」を行うほうが高くなります。この負担とは、故障を引き起こすリスクでもあります。
私の指導経験上でも、ランニングだけを行っている方より、ランニングにプラスしてトライアスロン、もしくは「トライアスロン的トレーニング」も行っている方のほうが、故障の確率がぐっと低いようです。それは、同じ有酸素運動を行い続けるにしても、「局所的負担」がトライアスロンでは分散されるからです。
ランニングに比べ、トライアスロンには大会ごとに環境が大きく変わる「面白さ」があります。
スイムは海なのか、波があるのか、流れがあるのか。バイクとランは、坂があるのか、風があるのか、周回コースなのか。トランジット(種目間の着替え)までの距離が長いのか、など。
従って、タイムが大会ごとにかなり変動するため、ランニングほど「タイムだけ」を気にすることが少なくなります。
ランナーは、初マラソンを完走した感動を忘れ、2回目以降はせっかく頑張って完走しても、自己ベストや目標タイムを達成できなかったことで落ち込む方が多いようです。従って、タイムが出やすい「平坦コース大会」ばかりに人気が集中しているようです。これでは皆さんのような趣味のランニングとしては、とても窮屈だと思います。
しかし、トライアスロンは、上記のように大会ごとの環境が変わり過ぎるため、タイムがそれほど参考になりません。逆に、平坦過ぎると「つまらない」とさえ感じてしまう場合もあります。
簡単にいえば、毎回、初マラソンの感動に近いものが得られる気がします。毎回同じ距離の大会でも、違った山を登るような登山の達成感に近いかもしれません。
このコラムのテーマである「健康的にずっと続けられる正しいランニング」のためにも、トライアスロンにもチャレンジしてみませんか?
これまでの運動への世界観も大きく変わるはずです。そして、正しく取り組めば「クロストレーニング効果」から、ランニングのレベルアップも期待できます。
しかし、誰でもトライアスロンにチャレンジできるわけではありません。そこには「体力レベル的条件」があります。次回は、「トライアスロンにチャレンジする条件(基準)」をご紹介します!
*参考書籍
「レースで勝つための最強トライアスロン・トレーニング(日東書院)監修:青山剛」
*誰でも体幹で走れるようになる「青山剛の走らないランニングセミナー」は毎月開催中です!詳しくは「チームアオヤマ」で検索!
文・写真提供:リズムアンバサダー 青山剛
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