ランニングコーチの青山剛です。
この連載は、テーマである「健康的に長く続けられる正しいランニング」のための、「走れるカラダ作り編」と「走れるココロ作り編」の2部構成です。
前回の走れるココロ作り編(vol.3)では「できることに集中して走ろう」ということで、コントロールできることに集中して、トレーニングをしていく方法を指導させて頂きました。
今回は、久しぶりに「走れるカラダ作り編」です。間もなく訪れる「走る上ではやっかいな夏」に向けた準備についてお話ししようと思います。
夏トレについては次回以降で詳しく紹介していきますが、今回は本格的に暑くなる前に行っておいてほしいトレーニングや準備についてです。
皆さんが目標とするようなマラソン大会は、国内の場合、ほとんど10月以降の開催になると思いますが、本格的な夏が来てしまうと、その大会に向けた、外での長時間のトレーニングは厳しくなります。夏が来る前に行っておいてほしいことは以下になります。
まずは「走り貯め」です。外でのトータルのランニングが1時間を超えるようなトレーニングは、暑くなったら厳しいので、この時期になるべく行ってしまおう、ということです。簡単に言えば、長い距離を走ったりする内容です。
本格的に暑くなる7月中旬から9月中旬は、山の中などの木陰でも長い距離のトレーニングはかなり厳しくなりますので、スタミナに不安がある方は「暑くなるまでが勝負」だと思って、頑張ってください。
「5kmタイム計測」については、5kmを全力で走るタイムを計測しておいてほしいということですが、もちろんこれは絶対ではありません。楽しくファンランが目標の方は、無理する必要はないでしょう。しかし、今シーズンにマラソンでタイムを縮めたい、自己ベストを更新したいと思っている方は、なるべく暑くなる前に計測しておくことをお勧めします。
私はセミナーや書籍で「5kmが遅い方はマラソンも速くならない」とスバリ指導しています。
指導経験上、一般ランナーの場合、5km走時の、1kmあたりの平均タイムに30秒を足した時間、つまり「30秒落ち」のペースが、今シーズンのマラソンのペース目標となります。
例えば、5kmのタイムが25分00秒だとすると、1kmあたりの平均タイムは5分。
その30秒落ちの5分30秒が、今シーズンのマラソンのペース目標になり、この場合、マラソン目標が3時間52分となります。
すなわちサブ4(マラソンで4時間を切ること)が目標なら、夏が来る前に5kmで25分以内を目標に頑張りましょう、というわけです。逆に言えば、5km25分00秒を超えてしまうと、今シーズンに3時間52分以上のタイムを出す確率は低くなるということです。
この方程式はマラソンで2時間40分くらいまでは当てはまることが指導経験上分かっていますので、参考にしてください。
夏が来る前に「走り貯め」と「5kmタイム計測」で、準備しましょう!
*誰でも体幹で走れるようになる「青山剛の体幹ランニングセミナー」は、毎月東京、浦安などで開催中です。詳しくは「チームアオヤマ」で検索!
文:リズムアンバサダー 青山剛
“関連特集:
Rhythm内の「腹筋」に関する、記事はこちらから”