ランニング&トライアスロン、そしてウォーキングコーチの青山剛です。
この連載は「女性のためのスタイルアップウォーキング」として、ただ歩くだけではなく、歩く前の準備段階から指導させて頂いています。これまでは歩くフォーム、そして身体を4つのパーツに分けた「部位別編」として、ウォーキングを使って各パーツのスタイルアップ方法を指導してきました。
前回は「スタイルアップにつながる身体」の準備が出来たところで、歩く前に目標心拍数を決めて、効率よく脂肪を燃やしながら歩く方法(ペース)を紹介しました。今回からは「歩くコース」を色々変え、その地形を利用して歩くことでスタイルアップを目指す方法をご紹介していきます。
ひとつ目は「階段」です。階段を利用すれば、かなりの「ヒップアップ」が期待できます。ただし、それにはコツがあります。今回はそのコツを紹介したいと思います。
写真1
通勤通学時、電車を降りると9割以上の方は階段ではなく、エスカレーターに向かっていきます。私はその混み合うエスカレーターを横目に、空いている階段を「エクササイズがてら」上っていきます。
お仕事や満員電車でお疲れだと思うので、エスカレーターに乗りたいのは分かります。しかし「動かないで出来た疲労=運動不足の疲労」は、むしろ階段を使って歩くほうが疲労回復に繋がりますし、上手に上れば運動効果も期待できるのです。
「忙しくて運動する時間やジムに行く時間がない」のであれば、日頃の生活に階段を積極的に取り入れることを断然お勧めします。
さて、その階段を上手に使った、スタイルアップにも繋がる上り方です。
基本はこれまで紹介した「平地での歩き方」同様に、しっかり腕を引いて上って下さい。しかし、通勤通学時を想定すると、スーツやスカート、そして腕にはバックも持っていると思いますので、なかなか腕はしっかり引けません。
そこで「足元だけ」ちょっと気にして上るだけで、特にヒップアップに繋がる運動効果が期待できますので、その方法を紹介します。
その方法は「かかとを落とさずに上る」です。
写真2:かかとを落とさずに上る
写真2のように、かかとを落とさないように(=足首の角度をキープして)上ることで、骨盤周り、特にお尻周りがしっかり動員されて上ることが出来ます。
この連載の「vol.7美脚編」の歩く前のスイッチエクササイズで紹介した「骨盤上げ」のようなイメージで上ることになります。そうすると、お尻だけではなく、わき腹にも刺激がはいるので、ウェストもくびれてきます。
ポイントは、かかとを上げようとするのではなく「下げないようにキープする」です。
上から写真3⇒4⇒5:かかとが落ちないように(写真だと左足)上る
写真6:かかとが落ちたNGな上り方
逆に、駅など通勤通学で階段を上る時は、写真6のようにかかとが落ちっぱなしか、落ちて上げてを繰り返して上る方ばかりです。かかとが落ちると、それを上げる時にふくらはぎを使ってしまい、また前モモも疲れていくはずです。
ランニングもウォーキングも正しく行う(スタイルアップにも繋がる)と、ふくらはぎと前モモがそんなに疲れることはNGです。これこそ脚が太くなる上り方になってしまいます。
かかとを落とさないようにして上れば、今まで階段で疲れていたふくらはぎや前モモが張ってこないので、それをバロメーターに是非上ってください。
下りに関しては、あまり難しく考えず、ポイントは一つ「つま先と膝が真っすぐに出ているか」だけをたまにチェックする程度にしましょう。下りであれこれ考えると転びますので(笑)
写真7:階段の下り方
次回は、坂道や不整地(トレイル、ビーチなど)を使った、スタイルアップウォーキングの方法を紹介していきます!
*参考書籍
「すぐ使える体をつくる 筋肉スイッチトレーニング(成美堂出版):青山剛著」
「医者に『歩きなさい』と言われたら読む本(池田書店):青山剛著」
文・写真提供:リズムアンバサダー 青山剛
「現代女流浮世絵師、京都マラソンを走る 青山剛×ツバキアンナ対談 Vol.3」 〜どんな運動でも、大切なのはリズム(後編)〜