ランニングコーチの青山剛です。
これまでのこの連載では「走れるカラダ作り編」として、健康で正しく走るための準備について指導させて頂いて来ましたが、2月は京都マラソン、東京マラソンなど大きな大会が多くありますので、今回は特別編として、その大会に向けた「直前の準備」についてです。
体、心、物、の3つの準備方法を指導させて頂きます。
写真:ウォーキング
まずは一番大事な「体」です。
この記事を読んで頂いている方は、おそらく忙しくて大会に向けたトレーニングを正直あまり出来なかったビジネスマンの方が多いと思います。ですが、大会直前で焦って走る量、スピードを急に上げるのは危険そのもの。大会前に怪我や体調不良を起こしかねません。
そこで大会直前にお勧めなのが「ウォーキング」です。
ウォーキングは走る上で必要な「最低限の筋力」を維持したり、補ってくれますので、
大会直前まで通勤では「一駅手前で降りて」歩いたり、帰宅後や時間がある時はランニングシューズを履いて1時間くらい連続で歩いてみてください。またこの連載で紹介した「肩甲骨周りのストレッチ」も大会直前でも効果がありますので、コツコツ行ってみてください。
次に心の準備。
大会が迫るにつれて、慣れない方ほどそわそわとしてきます。特に大会前日の夜は、興奮と緊張で眠れない方も多いはずです。
しかし、大会前日に眠れなくても、横になって目をつぶってさえいれば大丈夫です。横になっていれば体は十分休めています。また、前日に眠れなくても大会のパフォーマンスには大きく関与しないというデータも出ていますので、安心して眠れずにいてください(笑)。
その代り、その大会前日(主に土曜に)眠れないことを想定して、前々日の金曜日には、早めにベッドに入り、休むようにしましょう。実は金曜日の睡眠が大事なのです。これで土曜日にあまり眠れなくても安心出来ますね。
最後に物の準備。
物とは、大会で使用するシューズやウェア、そして装備品です。
折角トレーニングを積んできたのに、この物の準備をおろそかにして、台無しにしている方を多く見かけます。
まず走る上で一番大切な「シューズ」。
履き慣れたシューズで大会に出場するのは勿論ですが、気を付けて欲しいのは「靴ヒモ」です。
よく大会中に靴ヒモが解けて結びなおしている方がいますが、あの行為には実は大きな危険が潜んでいます。疲労困憊の30kを過ぎて靴ヒモが解け、結びなおそうと屈んだ瞬間に足が痙攣し、立てなくなってしまう方がいます。靴ヒモを結びなおすのは数秒かもしれませんが、疲労した状態で下写真のような姿勢をとると、大きなタイムロスになる場合があります。
写真:靴ヒモを結びなおす姿勢
従って靴ヒモは解けないように、結んだヒモを靴ヒモの間にしまうようにしましょう。この方法で解けた方はいませんので、お試しください。
写真:靴ヒモをしまう前
写真:靴ヒモをヒモの間にしまう
また、装備品として必ず「補給食」を持ちましょう。
おそらくほとんどの方が3時間以上かかるはずです。そうなるとだいたい「昼マタギ」な時間になりますので、エネルギー源は必須です。
お勧めはジェル状のタイプで、完走目標時間×個数があれば安心です。
「そんなに持つの!?」と驚かれますが、騙されたと思って是非持っていて下さい。マラソンを走ったことがある方はこの意味が必ず分かるはずです。1時間経つごとに一個ずつ摂取していきましょう。
トレーニングが順調だった方も、そうでない方も、折角マラソンを走るわけですから、
最後まで体、心、物を整えてスタートラインに立ちましょう!
次回は「走れるカラダ編・最終回」です。
文:リズムアンバサダー 青山剛
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