ランニングコーチの青山剛です。
この新連載では、来年2月18日に開催される「京都マラソン2018」でしっかり走れるように、大会に向けた「12週間プログラム」を紹介しています。特に目標設定として多い2パターン(A歩かず完走・B4時間以内)をメインとしていますが、目標や大会日程が異なっても当てはまることですから参考にしてみてください。
前回は「トレーニング準備期①②」として、これから始まる本格的なマラソントレーニングに向けての下ごしらえ=基礎を紹介しました。今回は「走り込み準備期・12月11日~12月17日」のトレーニング内容を紹介します。
この「走り込み準備期」とは、次週から始まる12週間プログラム前半の山場である「走り込み期①②」へ向けた「助走的」な一週間となります。2週間続く「走り込み期①②」を考慮した時に、この走り込み準備週で走り込み期の「70%」くらいの量を意識してトレーニングを組み立てます。
例えば、走り込み期で「週に50km」くらいを走る量の目標とした場合、その70%なので35km前後をこの走り込み準備週の目標距離とする考え方です。
また、この「1週間準備して、2週間頑張って走り込む」理論についてです。
私の長年の指導経験上「2週間が、人が集中力を保って頑張れる限界期間」なのです。しかもこれ以上頑張らせると、故障や怪我、病気のリスクがぐっと高まります。従って、まずは70%くらいのイメージで準備して、その後しっかり走り込むことを目指します。下記がタイプ別トレーニング参考例です。
A 歩かず完走目標(5時間~5時間30分・1km7~8分ペース)
☆週間距離目標:20~30km
・ベースとなるジョギングでコツコツ走る
・一回のマックスは60分まで(距離は10km前後まで)
・通勤通学で積極的に歩く
・ストレッチ、体幹スイッチエクササイズを継続する
B 4時間以内目標(1kmペース5分30秒)
*プログラム開始前に5kmタイムトライアルが25分以内だったことが前提
☆週間距離目標:30~40km
・一回のマックスは2時間まで(距離は20km前後まで)
・通勤通学で積極的に歩く
・ストレッチ、体幹スイッチエクササイズを継続する
・LSD(ロング・スロー・ディスタンス)90~120分を入れる
・ペース走10~15kmを入れる
・他はジョギングをコツコツ入れる
☆トレーニングメニュー・青山剛リズム参考記事
*「ストレッチ・体幹スイッチ」の正しい方法(記事全般をご参考ください)
*「ジョギング」の正しい方法
*「LSD」の正しい方法
*「ペース走」の正しい方法
とにかくこの走り込み準備週は頑張り過ぎないことがポイントです。メインは翌週以降になりますので、落ち着いていきましょう。
また、予想していた以上に走る距離が少なく感じる方も多いかもしれません。これは忙しくてなかなか走る時間が確保できないような皆さんを考慮して、「通勤通学で積極的に歩く」「ストレッチ、体幹スイッチエクササイズ」を隙間の短時間でコツコツ入れることが前提でのメニューになります。
次回はいよいよ12週間プログラム前半の山場「走り込み期①②(12月18~24日・12月25~31日)」のトレーニングについて紹介します!
*参考文献
「走らないランニング・トレーニング(マイナビ)新版」
「仕事が出来る人の『走り方』(日本実業出版社)」
*誰でも体幹で走れるようになる「青山剛の体幹ランニングセミナー」は、毎月東京、浦安などで開催中です。詳しくは「チームアオヤマ」で検索!
文・写真提供:リズムアンバサダー 青山剛