ランニングコーチの青山剛です。
11月からスタートした新連載では、今週2月18日に開催される「京都マラソン2018」でしっかり走れるように、大会に向けた「12週間プログラム」を紹介してきました。特に目標設定として多い2パターン(A歩かず完走・B4時間以内)をメインとしてきましたが、目標や大会日程が異なっても当てはまることですから参考にしてみてください。
さて、この記事が掲載される頃は12週間プログラムの最終週(調整➁)だと思いますが、参加される皆さん、体調は如何ですか?今回は最終回特別編として「2018京都マラソンコース必勝法」として、私が昨年この大会を走った経験を踏まえ、幾つかポイントを紹介したいと思います。
まず、京都マラソンに限らず、マラソンで完走、もしくは自己ベストを出す、力を発揮するポイントです。
☆マラソン完走・自己ベストへのポイント
1・30km地点までは、とにかく一定ペースで走る。そこから12.195kmの大会がスタートするつもりで頑張る。
2・エナジージェルを1時間毎、もしくは10,20,30,35km地点で摂取する。
3・沿道の応援やボランティアの方々へ笑顔で応える。
1は、特に重要です。30km地点までいかに「省エネ」で走れるかが、それ以降で大きくタイムが変わってきます。自己ベストを目指す方も、30km地点までは貯金をしようとせず、一定ペースを心がけましょう。
2をしっかりしないと、後半のペースダウンは免れません。特に男性は「ハンガーノック」と言って低血糖状態になりやすいので、しっかり準備しましょう。
3は、冗談や美談のようで、実は科学的にもとても大事な話。マラソン後半など苦しくなってくると、どうしても意識が「内向き」になってしまいます。そんな時こそ意識を沿道で応援してくれている方や、寒い中頑張ってくれているボランティアの方へ向けてみましょう。「頑張れー!」と応援されたら「ありがとー!」と返しましょう。
マラソンできついのは呼吸など心肺機能ではなく、脚など筋力系なはずです。呼吸は余裕がありますから返事を返すことが必ずできますし、そうすることで意識がより外向きになり、エネルギーが湧いてきます。今年の箱根駅伝を観ていても、青山学院の選手は意識が外向きで元気ハツラツでした。
さて、最後に京都マラソンコースの特徴です。
☆京都マラソンコース特徴
1・16~17km地点まで緩やかな上り。それ以降は少しだけ下り基調だが、基本起伏はきつ過ぎない。
2・コースの道幅が終始狭く、追い抜きづらいので注意が必要。
3・後半20km以降は、カーブ、Uターン、クネクネが連続し、ペースが保ちづらい。
4・仁和寺前など、お坊さんの応援も多く京都マラソンならではで盛り上がる。
昨年私は後ろの方のブロックからスタートしましたが、起伏よりも、ずっと混雑していた印象が強く残っていますので、ペース維持や追い抜きには注意が必要です。
エイドステーションで多少食べるものも出ましたが、やはりエナジージェルは欠かさず持って行きましょう。そして何より感動したのは、11km地点の仁和寺前のお坊さん集団の応援です。これこそ「THE京都マラソン」ですね。先ほどのマラソン完走ポイントの通り、笑顔で声援に手を振って走りましょう。
昨年のレポートがこちらにも掲載されていますので、ご参考ください。
ここまでのFor京都マラソン12週間プログラムは如何だったでしょうか?
この連載を読まれている方や私の著書をよくご覧になっている方からは「青山コーチが提唱する練習量って少なくないですか?」と質問されます。おそらく練習量=走る距離だけを考えたら、私の提示する量は少ないと思います。
もちろん私も皆さんにはいっぱい走って頂きたいのですが、それよりも怪我や故障をして欲しくありません。皆さんはランニングを生業にしているプロや実業団選手ではありませんから、とにかくこのリズムのテーマである「長く健康で続けられる正しいランニング」を柱にして、この連載ではトレーニング方法や取り組む姿勢を指導させて頂いています。
しかし、私の場合、走る量が少ない代わりに、ストレッチや体幹スイッチなど「走れる身体づくり=壊れない身体づくり」を重視していますので、今回の12週間プログラムでもそれを反映させて頂きました。結果として、怪我や故障が少ない方こそトレーニングが継続出来ますので、記録などは最終的には良くなっていきます。
これからもこちらのコラムでは正しく楽しいランニングを中心に書かせて頂きますので、よろしくお願いします!
*参考文献
「走らないランニング・トレーニング(マイナビ)新版」
「仕事が出来る人の『走り方』(日本実業出版社)」
*誰でも体幹で走れるようになる「青山剛の体幹ランニングセミナー」は、毎月東京、浦安などで開催中です。詳しくは「チームアオヤマ」で検索!
文・写真提供:リズムアンバサダー 青山剛