ランニングコーチの青山剛です。
11月からスタートした新連載では、来月2月18日に開催される「京都マラソン2018」でしっかり走れるように、大会に向けた「12週間プログラム」を紹介しています。特に目標設定として多い2パターン(A歩かず完走・B4時間以内)をメインとしていますが、目標や大会日程が異なっても当てはまることですから参考にしてみてください。
さて、ここまでの12週間プログラムの進み具合は如何だったでしょうか?今週からの2週間は調整期として、ここまでトレーニングで培ってきた力を大会本番でしっかりと発揮出来るように、まさに調子をコントロールして調整していきます。
受験勉強と同じで、いくら勉強してきても本番のテスト当日にその力が発揮できないともったいないことになります。前週のリコンディショニング期の週末に現段階の「実力把握テスト」としてペース走などで調子を見ていると思いますので、それを踏まえてトレーニングメニューを考えていきます。
■調整期①(2月5日~2月11日)
A(歩かず完走)B(4時間以内)の各目標とも、リコンディショニング期週末に調子を見るペース走などを行ったと思いますが、その時の走りの調子は如何だったでしょうか?
☆「調子を見るポイント」
1:呼吸も身体(特に脚)も楽にリズム良く走れた
2:呼吸がきつかった
3:身体(特に脚)がきつかった
4:どこか局所的にきつくなったり痛くなったりした
5:前半は良かったが後半がきつかった
6:前半はきつかったが後半は楽になった
様々なケースがあると思いますが、だいたいこの6パターンに分類されると思います。
下記がケースごとの主な診断と調整①週のメニューです。(AB共通です)
1:呼吸も身体(特に脚)も楽にリズム良く走れた
・12週間プログラムがしっかり取り組めていて順調だと思います。従って、ここからは決して欲張ったことをせず、基本の60分までのジョギング重視で繋いでいきます。仕上げは週末に15km前後、気持ちよく(全力まで頑張らない)ビルドアップ走でOKです。
2:呼吸がきつかった
・走る身体は出来上がってきていますが、その身体に対して「心肺機能」が少し上がって来ていない可能性があります。ビルドアップ走8~10kmを週半ばで入れて、少しゼーゼーハーハーと心肺を刺激します。週末は1同様、もしくは15kmペース走で。他は60分までのジョギングで繋ぎます。
3:身体(特に脚)がきつかった
・少し走り込み不足が考えられます。しかし無理にここから詰め込むのも良くないので、週半ばでLSD120分前後だけしっかり入れておきます。他は60分までのジョギングで繋ぎ、週末は15kmペース走です。
4:どこか局所的にきつくなったり痛くなったりした
・怪我や故障が潜んでいる可能性があります。スポーツトレーナーなど専門の方に早めに相談しましょう。それまではストレッチ、体幹スイッチ、ウォーキングなどで様子を見ます。
5:前半は良かったが後半がきつかった
・3と同じ原因、もしくは「エネルギー不足」の可能性があります。大会と同じ想定でエナジージェルなどを走る時の中盤以降で摂取してみましょう。基本60分までのジョギングで繋ぎ、週末に15kmペース走を走り、10km地点でジェルを摂取して様子を見ましょう。
6:前半はきつかったが後半は楽になった
・ウォーミングアップ不足の可能性があります。走る前のストレッチ、体幹スイッチなどの基本を再度しっかり取り組みましょう。メニューは1と同じで構いません。
☆トレーニングメニュー・青山剛リズム参考記事
*「ストレッチ・体幹スイッチ」の正しい方法(記事全般をご参照ください)
*「ジョギング」の正しい方法
*「LSD」の正しい方法
*「ペース走」の正しい方法
次週はいよいよ12週間プログラム最終週となる「調整期②」です!
*参考文献
「走らないランニング・トレーニング(マイナビ)新版」
「仕事が出来る人の『走り方』(日本実業出版社)」
*誰でも体幹で走れるようになる「青山剛の体幹ランニングセミナー」は、毎月東京、浦安などで開催中です。詳しくは「チームアオヤマ」で検索!
文・写真提供:リズムアンバサダー 青山剛