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青山剛の「地球の走り方」vol.3 ~第123回ボストンマラソン~

ランニングコーチの青山剛です。

いつもこちらでは「健康で長く続けられる運動」をテーマに連載させて頂いていますが、今回は久しぶりに「地球の走り方」です(前回の記事はこちら)。私が実際に現地に行った世界のマラソン大会を紹介していく特別編で、今回は2019年4月15日に開催された「第123回ボストンマラソン」です。
https://www.baa.org/

こちらの大会は1897年から続く世界でも有数の歴史の長い大会で、昨年川内優輝選手が優勝したことで日本でもその注目度は一気に上がりました。また世界6大大会(ワールドマラソンメジャーズ)のひとつでもあり、その中でもボストンはその参加資格が厳しいことで知られ、市民ランナー憧れの大会でもあります。参加するにはマラソンを各年齢、性別で決められた基準タイム内に走った実績が必要です。

ちなみにこちらが新しく発表された2020年大会の参加基準タイムです。

18~34歳 男性3時間00分 女性3時間30分
35~39歳 男性3時間05分 女性3時間35分
40~44歳 男性3時間10分 女性3時間40分
45~49歳 男性3時間20分 女性3時間50分
50~54歳 男性3時間25分 女性3時間55分
55~59歳 男性3時間35分 女性4時間05分
60~64歳 男性3時間50分 女性4時間20分
65~69歳 男性4時間05分 女性4時間35分
70~74歳 男性4時間20分 女性4時間50分
75~79歳 男性4時間35分 女性5時間05分
80歳以上  男性4時間50分 女性5時間20分

ものすごいハードル(笑)。

こちらはあくまでも参加申し込み基準なので、実際には速いランナーから枠を埋めていくそうで、今年参加するには基準タイムより約5分速いタイムじゃないと足切りにあったそうです。タイムを見ても分かるように、かなりちゃんとトレーニングを積んだランナーじゃないと出場が厳しいので、その参加、そして完走の価値が格段に評価されているのが分かります。

しかし、大会の制限時間は6時間15分なので、出てしまえば楽しく走れます。但し、海外からの参加者には基準タイム外のオープン枠も設定されていますが、どうせ出るなら基準タイムを突破して胸を張って走りたいですね。

さて、今回私は実際には走りませんでしたが、私がプロデュースしているTeamAOYAMA永尾薫(Sunfeild)が女子エリート枠で参加しましたので、その応援サポートとボストン滞在の様子を写真と共にレポートします。

(写真1)

(写真2)

こちらオフィシャルホテルのエレベーターや街の看板。こうやって街の至るとことがマラソンモード一色に染まって行きながら、大会当日を迎えます。

(写真3)

(写真4)

こちらマラソンエキスポ会場。オフィシャルグッズから各ランニングメーカーが雑多にブース出展しています。上記の通り、こちらの大会に出場できるだけで市民ランナーの誇りでもありますから、大会ロゴ付きのウェアは他の大会より売れているようでした。

(写真5)

こちら大会コースマップ(左から右へ走ります)。驚くべき「ザ・片道まっすぐコース」(笑)。スタートとフィニッシュの距離が遠すぎて公認タイムにならない程です。前半は下りが続き、後半30km以降には「ハートブレイクヒルズ(心臓破りの坂)」がある難コースがランナーを苦しめます。天気予報やコース上での感じでは、今年はずっと追い風基調だったと思いますので、やや走りやすかったかもしれません。

(写真6)

こちらスタート地点の様子。私は30km過ぎの心臓破りの坂で応援待機でしたので、永尾に帯同したうちの郷間コーチからの写真。朝の段階では暴風雨が凄まじかったのですが、スタート前にはほぼ落ち着き、気温も上昇してきました。

(写真7)

こちら30km過ぎの心臓破りの坂の途中。永尾は前半10km過ぎまでは15名ほどの先頭集団でしたが、その後一気にペースアップした集団には付かず、予定ペースで我慢の展開に。ここを通過した時は25位前後。

(写真8)

永尾の後、時差でスタートした男子エリートの部も続々とこの坂を駆け上がってきました。

日本人選手では、井上、薗田、そして川内選手の順で通過してきましたが、特に川内選手はこの時点では大きく先頭集団から遅れ、いつも以上の苦悶の表情でひた走っていました。

川内選手は結果17位でフィニッシュでしたが、やはり前年優勝者へのこちらでの評価は異常に高く、写真8のように大会パンフレットで大きく取り上げられていたり、あちこちで大きく報道されていました(大会前日には地元レッドソックス戦で始球式も)

(写真9)

永尾薫は2時間42分07秒の33位でフィニッシュ。目標にしていた上位入賞はなりませんでした。一年前の現地下見からこの大会に向けて準備してきたわけですので、無念で悔しさがとても残ります。ただこの大会に出るまでも多くの皆様のご尽力があった訳ですから、このチャレンジを無駄にはせず繋げて行かなければなりません。

このあと続々と一般部門のランナーがフィニッシュして来ましたが、高い参加基準をクリアして走っているだけあって、他の大会のような「明らかに準備不足」的は走り方をしている人は少ないようでした。しかし、起伏の多いコースだけあって、頑張って走った方ほどそのダメージは大きいようで、翌日の空港では日本から来たエリート選手達も、階段の下りで苦しんでいました(笑)。

私がこれまで走ってきたニューヨーク、ホノルル、東京マラソンのようにボストンと同じくらい大規模な大会に比べ、この大会はより地元が一体となっている感じがとても温かみになり、また観ているだけでも歴史や趣を感じました。私も必ず走ってみたいと思えるイベントになりました。あの心臓破りの坂を激走してみたい(笑)。

(写真10)

(写真11)

 
番外編。ボストンの街でのランニングコース、スポットのご紹介。

ホテルの多い中心街から程近いチャールズ川の河川敷コースが一番お勧め(写真10)。

ここは直線で数キロ取れ、対岸にも行けるので大会前の調整にもGOOD。朝から多くのランナーでにぎわっていました。他にはボストンハーバーも近いので天気が良い日はこちらが気持ちいいかも(写真11)。

(写真12)

最後に。
ボストンといえばここ、レッドソックスの本拠地フェンウェイパーク。

私が初日に泊まったホテルがここの球場の真裏でしたが、その日も試合があり歓声が大きくて夜は大変でした(笑)。翌朝に噂のグリーンモンスター裏で記念撮影がてらランニング。

どうせ海外まで行くなら、大会だけではなくこんな観光ランをどんどんしてくださいね。ランナーしかできない最高の旅行を!

文・写真提供:リズムアンバサダー 青山剛

青山剛

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして、競技者から初心者、タレントまで幅広く指導。チームアオヤマ代表。著書に『青山剛のスイッチ・ランニング(高橋書店』『マラソンで自己ベストを出したいなら、全力で走るな!(洋泉社)』など多数。

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