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ランニングコーチの青山剛です。
いつもこちらでは「健康で長く続けられる正しいランニング」をテーマに連載させて頂いていますが、今回は9月の「地球の走り方vol.1」に引き続きvol.2です。
さて、vol.2の今回は11月5日(日)に開催された「ニューヨークシティマラソン2017」です。私自身この大会は4回目の出場になりましたが、今年の「メインの仕事」は、TeamAOYAMA所属の永尾薫選手(Sunfield)のサポートでした。
9月のvol.1でレポートしましたが、このニューヨークシティマラソンへの調整、試走、下見のために、永尾選手と一度ニューヨークへ訪れたわけですが、今回お陰様で日本人唯一の招待選手となり大会に臨みました。
結果は、狙っていた上位入賞には届かず、2時間44分26秒(22位)でしたが、海外ツアー第一弾をしっかり走り切れて、得るものも多く「戦うための不足材料」が明確になったレースでした。今回のレポートは、永尾選手のことではなく、永尾選手を見送った後に、私がこの大会をファンランした模様をレポートします。
題して「TeamAOYAMA式・スーパーファンランの方法」です。
私は日頃多くの社会人一般ランナーの方を指導していますが、このコラムのテーマである「健康で長く続けられる正しいランニング」のためには、「頑張る大会」と「楽しむ大会」の二本柱で組み立てていくことをお勧めしています。特に海外大会は楽しむ大会=ファンランを推奨していますが、今回のマラソンでもそのお手本となるような走り方をしてきました。
まずTeamAOYAMA式・スーパーファンランの3か条です。
1・ベースペースは一定にキープする!
2・定期的にトイレ、ストレッチ、スプレー式消炎剤休憩を入れる!
3・ちゃんとしたモノを止まって食べる!
今回のレースはTeamAOYAMAのメンバーで「アラフィフ」の男性2人、マラソンタイムは4時間15分前後のチカラがある方々とのファンランでした。3か条その1の設定したベースペースは1k6分30秒前後です。
(写真1)
ニューヨークシティマラソンのコースは、ニューヨークの5つの地区を周る壮大なコースで、それ故、その地区を超えるためにいくつもの橋を渡るため、結構な起伏が待ち構えます。
また、殆ど平坦がなく、常に緩やかに上っているか下っている感じです。そして、コース脇の随所で音楽がガンガンかかっていて、応援もランナーも写真2のように至るところでノリノリになり、まさに盛り上がりも世界一です。
(写真2)
(写真3)
3か条その2の「定期的にトイレ、ストレッチ、スプレー式消炎剤休憩を入れる!」が、ハードコースのこの大会では特に必須です。今回前半は10kごと、後半は5kごとにこの休憩を5~10分前後必ず入れました。トイレの列に並びながらストレッチ、スプレー式消炎剤をかけ、トイレに入り、その後も少しストレッチです。
スプレー式消炎剤をかける箇所は、もちろん脚などの張りや痛みが出てきたところですが、ストレッチはそこだけではなく、重要なポイントは「肩甲骨周り」です。
走って疲労が溜まってくると、背中が硬くなり肩甲骨の動きが悪くなります。そうすると、脚の負担が増える一方ですので、しっかりトイレ休憩ごとに肩甲骨周辺を伸ばしましょう。
一番のお勧めは、写真3のようなストレッチです。(両手を前でクロスして、背中を丸めると、肩甲骨間、腰、太もも裏が一気に伸ばせます!)
(写真4)
写真4は、レース中とは思えませんが(笑)クイーンズ地区から大きな橋を越えニューヨークの中心部マンハッタン地区にちょうど入った27k地点付近。店などがたくさんある1番街です。この25kを超えたあたりから、3か条その3の「ちゃんとしたモノを止まって食べる!」が効いてきます。
私たちは今回、応援サポートに来てくれていたTeamAOYAMA前波トレーナーに電話し「何か食べるものとジュース」を事前に走りながら注文。写真のようにおにぎりとジュースを止まってゆっくり食べてからレースに戻りました。
レース中にこんなこと、と思われるかもしれませんが、だいたいのマラソン大会は「昼またぎ」の時間帯なので、必然的にお腹が空くわけですし、ファンラン=タイムは求めない、のであればこんな感じがベストだと思います。
レース中でも、ちゃんとしたモノを止まって食べた後は本当に元気になりますよ!
ちなみにホノルルマラソンだと、28k地点にあるハンバーガーショップでゆっくり30分くらいかけて朝食にしています(笑)。
(写真5)
(写真6)
この3か条はかなり効いていて、このまま3人はどこも痛くなったり、つらくなったりすることなく、最後までベースペースはキープ。フィニッシュタイムは5時間28分でした。マラソン翌日も3人ともどこも故障もなく、街中を2時間以上歩き回っても平気でした。
出来る限り「海外マラソンの疲労は国内に持ち帰らない」を目指しましょう。ニューヨークシティマラソンのようなハードコースでは、特にこの方法がファンランをする上では有効だと思いますので、来年以降参加する予定の方は参考にしてください。
「健康で長く続けられる正しいランニング」を目指すなら、こんなスーパーファンランを是非してみてくださいね!
文・写真提供:リズムアンバサダー 青山剛